<広島4-5中日>◇27日◇マツダスタジアム
BOSSのために!
中日トニ・ブランコ内野手(30)が同点の9回1死一、三塁から中前に殊勲の決勝打を放った。昨年9月11日横浜戦以来となる1試合4安打で広島に逆転勝ち。首位ヤクルトとのゲーム差2・5を保った。ブランコは「自分たちのためにも監督のためにも優勝したい」。今季限りで退任する落合博満監督(57)の花道を大砲のバットで飾るつもりだ。
ツバメが遠のく寸前だった。ブランコのバットが終盤に白星をたぐり寄せた。7回に同点として迎えた9回1死一、三塁。広島サファテの143キロ直球にバットを派手に折りながらも力ずくで中前に落とした。セ・リーグのセーブトップを行く守護神と力と力の勝負に竜の大砲が勝った。
「チャンスだったので何としてもランナーをかえしたかった。少なくとも外野まではボールを飛ばそうと思っていたよ」
気迫が違った。左前打で出塁した2回、先発ジオのボークで二進。6番堂上剛の打席で捕手石原がボールを前にはじくと、すぐさま反応して激走。巨体を揺らし、つまずきながらも三塁に到達した。
6回に右前打、7回に左前打とこの日放ったヒットはすべて“ポテンヒット”。それでもがむしゃらにバットを振った結果が今季初1試合4安打につながった。
5日前。監督退任の知らせに心を痛めた。「とにかく元気を出していかないと。自分たちのためにも監督のためにも優勝したい」。09年2冠王は、日本球界に導てくれた指揮官への感謝の思いを強くした。
首位ヤクルトが勝ったためゲーム差は2・5のままだが、引き分けに終わらなかった意味は大きい。「良いんじゃないですか?
これくらい動けていれば」。落合監督は表情を変えることなく淡々と言った。逆転へのシナリオに狂いはないようだ。【桝井聡】



