<楽天4-9ロッテ>◇7日◇Kスタ宮城

 彼らの成長に楽天の未来がある。若手主体で臨んだロッテ戦は敗戦。だがおのおのが随所に光るプレーを表現した。1回表無死から緊急出場した枡田慎太郎内野手(24)が、5回に走者一掃の適時二塁打。ドラフト3位の1年目阿部俊人内野手(22)は急きょ回った二塁守備でアピールした。スタメン起用が続く銀次内野手(23)は安打を放ち、サイドハンドに改造中の松崎伸吾投手(28)も結果を出した。みんな星野仙一監督(64)が就任直後に注目した素材。貴重な経験を飛躍につなげたい。

 想定外の試合で光ったからこそ価値があった。開始1分で二塁手内村が負傷交代。遊撃でスタメン出場していた阿部が二塁に回り、この日昇格した枡田は遊撃に入った。「なかなか1軍に上がれず、ボロボロでした。何が何でも、という気持ちでした」と、置かれる立場にふさわしい心意気だった。エース岩隈が5回6失点でKO。一方的な展開で意地を見せた。

 裏の攻撃。1死満塁の第3打席。ロッテ先発唐川の「抜けたスライダー」に逆らわず強振。左中間のど真ん中突破。塁上の走者を一掃し、試合を分からなくした。枡田につられるように若手が躍動する。阿部は不慣れな二塁守備で愚直にボールを追った。3番手松崎は、左腕サイドハンドに転身していた。日々の練習でキャッチボールから取り組み約1カ月。無失点で切り抜けた。

 「5回、あそこでよく返したけどな」。エースの乱調で試合の大勢は決しかけたが、盛り返し、踏ん張った。星野監督は若手の活躍について述べる時だけ、声のトーンが少し上がった。

 星野監督

 枡田は1度いなくなってから、ずっと待ってたんだ。ずいぶん時間がかかったが、ようやくだなぁ。松崎は、何かを変えないと、もう飯を食ってけない。「工夫しろ」って言った。アイツだって生き残ろうと必死さ。阿部はアベレージの能力は高い。後は突出する何かを手に入れることだ。一芸に秀でていないと、この世界では出てくるのは難しいからね。銀次は明るいのがいいな。失敗したら、悔しがるだろ。

 1年をともにする中で選手の個性、現状と課題は完全にインプットされている。みんな兆しを感じさせる以上、断固磨き上げてみせる。「若い選手の成長を見届けることは楽しい」。監督の口癖に最近、もう1つ加わったフレーズがある。「まぁ、見てろって!

 必ず強くしてみせるからな!」。会話の中で突然、こう叫ぶ。【宮下敬至】