<巨人4-1阪神>◇12日◇東京ドーム

 阪神真弓明信監督(58)がクライマックスシリーズ(CS)進出を逃した場合、辞任することが12日、明らかになった。今季は2年契約の1年目。就任した09年からの3年間で優勝はなかった。この日、3位巨人に2試合連続でサヨナラ負けし、自力でのCS進出が消滅した。次期監督候補には生え抜きなら元2軍監督の平田勝男氏(52=野球評論家)や和田豊1軍打撃コーチ(49)、外部招聘(しょうへい)なら日本ハムを今季で退団する梨田昌孝監督(58)の名前が挙がっている。

 真弓監督がCS進出を逃した場合、辞任する。就任した09年以降、3年連続でリーグ優勝を逃し、この日は巨人に敗れた。自力でのAクラスが消滅。今後、日本一への道が完全に途絶えたとき、自ら責任を取る方向だ。

 チームは残り11試合あるが、3位巨人との4ゲーム差は絶望的だ。同監督が辞任した場合の次期監督候補には元2軍監督の平田氏や和田1軍打撃コーチの生え抜き組と、外部招聘(しょうへい)なら日本ハムを今季で退団する梨田監督の名前が挙がる。

 急転直下だった。昨年オフに2年契約を結び直し、契約はもう1年残っている。球団はシーズン中盤から、早々と続投方針を固め、真弓監督も引き続き指揮を執る決意を持っていた。しかし首位攻防戦となった9月9日から11日のヤクルト戦(神宮)でまさかの3連敗を喫し、優勝争いから大きく後退。先発陣の不調やリリーフの疲労蓄積などで、9月は7勝12敗と負け越した。チームも05年を最後に優勝から遠ざかっていることもあり、ファンの失望感も大きい。フロント主導でコーチ陣の入れ替えなどが検討されたが、指揮官自らが身を引く決断を下した。

 今季は波に乗れない1年だった。打線が統一球の対応に苦しみ、開幕ダッシュに失敗した。攻守のキーマン城島が昨年手術した左膝を再び痛め、6月に戦線を離脱。最下位に転落するなど、借金も最大11に膨らんだ。それでも、FAで獲得した藤井彰を正捕手で起用し、上本や柴田、小宮山、森田ら若手が抜てきに応える活躍を見せ、借金を完済し、一時は2位にまで浮上したが、チームが大きく勢いづくことはなかった。

 この日のサヨナラ負けも、今季を象徴していた。前夜の藤川に続き、期待をこめてマウンドに送った榎田が高橋由にサヨナラ3ランを浴び、3位巨人とのゲーム差は4と開いた。この現状を問われても、真弓監督は「いや、まだまだ全然」と気力は失っていない。CS進出が完全に消えた時点で、チームは来季に向けて動きだすことになる。

 ◆真弓明信(まゆみ・あきのぶ)1953年(昭28)7月12日、熊本県南関町生まれ。福岡・柳川商高(現柳川高)―電電九州を経て72年ドラフト3位で太平洋(後のクラウン、現西武)入団。79年阪神に移籍し、83年に打率3割5分3厘で首位打者に輝く。85年は1番打者として打率3割2分2厘、34本塁打、84打点の活躍でリーグ優勝、日本シリーズ制覇に貢献した。遊撃手、二塁手、外野手で各1度ベストナイン獲得。95年限りで引退。現役通算打率2割8分5厘、292本塁打、886打点。08年秋に阪神監督就任。