広島松田元オーナー(60)が、「チーム防御率1位」奪還を指令した。今季は3・22でセ・リーグ4位だったが、今ドラフトで即戦力の明大野村祐輔投手(22=広陵)を補強するなど投手陣の整備が進んでいる。カープの防御率1位はリーグ優勝した91年から遠ざかる。王国復活が、Vへの道しるべとなる。

 投手王国再建へ、着々と準備は進んでいる。「整備は少しずつ出来てきた」と、手応えをつかんでいる松田オーナーは、来季投手陣に「チーム防御率1位」の指令を下した。

 「チーム防御率を2・50前後にできれば、3点とればまず勝てるということになる。そこを目指してほしい」

 広島が最後にリーグ優勝した91年は、チーム防御率3・23でリーグトップだった。チーム最高防御率は59年の2・62だが、この日のオーナー指令はそれも更新することになる。

 いい見本がある。今季、中日はチーム防御率2・46という成績を残した。統一球の導入で投高打低の傾向はあったが、少ない得点を守り勝つ野球でリーグ連覇を成し遂げた。広島も10年の4・80から今季3・22と劇的に改善したが、巨人、阪神に次ぐリーグ4位だった。

 打線は今季、リーグ2位のチーム打率2割4分5厘だったが、ここぞの場面で1本が出ず、得点力不足に泣いた。宮崎・日南で行われている秋季キャンプでは、勝負強い打撃をテーマに強化につとめている。もし打線の得点力が今季並み(1試合平均3・05点)だったとしても、防御率2・50を実現できれば勝ちきれる計算だ。

 秋季キャンプで、投手陣はピンチで自分の球を投げきれるようになるため、トレーニングを重ねている。左腕投手に横手から投げさせるなど「1軍に入れれば可能性が広がる」と野村監督ら首脳陣は、前田健ら主力投手の活躍はもちろん、今井や中田、中村恭、中崎ら若手投手の突き上げも期待している。

 来春キャンプには野村ら新人も加わる見込みで、投手陣はより充実する。助っ人の中継ぎ投手獲得や、獲得オファーを出しているドジャース黒田の復帰が実現すれば、リーグ屈指の陣容となる。80年代の投手王国再現が成れば、21年ぶりの優勝も見えてくる。

 ◆来季の広島投手陣予想

 エース前田健、助っ人バリントンの2本柱に加え、右肩痛から復帰した大竹、1年目からローテ入りした福井、左腕篠田、斉藤にドラフト1位の野村らも先発候補となる。中継ぎも今季成長した今村や岸本、復活を期す永川勝、横山らベテランに左腕青木らに、助っ人獲得も検討している。守護神にはサファテがおり、選手層は厚みを増す。