注目の大一番は阪神の完敗に終わった。開幕戦以来となった村上頌樹、竹丸和幸の投げ合いは竹丸の勝利。巨人相手に0-1負けは今季初だ。それを象徴したのは「2つの併殺打」だったかもしれない。

まずは主砲・佐藤輝明だ。1回、先制機の1死一、二塁。ここで佐藤は二ゴロのゲッツーに倒れた。現在、3冠王の佐藤は併殺打が少なく、これが今季6個目である。もう1つは土壇場の9回に出た。巨人マルティネスを相手に無死一塁で森下翔太が三ゴロ併殺打だ。併殺打がリーグ最多なのは森下で、これが今季18個目となった。

そして2人が1試合でそろって併殺打を放つのは124試合目でこれが初めて。本塁打に限らず、2人のバットが火を吹けば阪神は強いし、そうでなければ反対の様子になることが多いのだ。この2人が抑え込まれれば、阪神はまず勝てないという象徴に思えた。

課題と言えば、この2人に続くような打者が出てこないことだろう。巨人は若手が少しずつ出ている。こちらも爆発的とは言えないと思うが、少し、差はあるようだ。今秋のドラフトを含め、そこが来季以降のテーマとは思うが今どうこう言っても仕方がない。

それにしても巨人の監督代行・橋上秀樹の話には引きつけられた。久々に坂本勇人、丸佳浩とかつての看板選手をそろってスタメン起用。「こういう試合は選手の格というか顔というか、そういったものでなんとかできるんじゃないか」と振り返った。そして決勝のホームを踏んだのは坂本だったのである。

対して阪神はルーキー立石正広を「2番左翼」でスタメン起用した。立石も2安打を放ち、それに応えたといえる。彼が森下、佐藤を継ぐ存在なのは間違いないだろう。その部分では好対照となったが、この日に限れば巨人の方が落ち着いていたようには見えた。

それでも「いいな」と思ったのは9回、併殺に倒れた後、森下が見せた悔しそうな表情だ。気合が入っている証拠だろう。これが大事なのだ。70勝に到達した巨人に勝利数で上回られたが、残り試合は阪神が多く、数字的にはまだ阪神有利のはず。ここは落ち着きたいところだ。

そしてTG最終戦が予定される「10・1」ではっきりと決着をつければいい。9月の戦いでそういう形にしていくことが重要なのである。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

巨人対阪神 9回表阪神無死一塁、併殺打に倒れる森下翔太(撮影・増田悦実)
巨人対阪神 9回表阪神無死一塁、併殺打に倒れる森下翔太(撮影・増田悦実)
巨人対阪神 9回表阪神無死一塁、併殺打に倒れた森下翔太(撮影・増田悦実)
巨人対阪神 9回表阪神無死一塁、併殺打に倒れた森下翔太(撮影・増田悦実)