復活へ第1歩!

 左膝手術を受けてリハビリ中の広島岩本貴裕外野手(25)が9日、広島・廿日市市内の大野練習場で手術後初めて打撃練習を再開した。軽いスイングやティー打撃を行っただけだが、着実に前進。今季は開幕スタメンを張ったものの不振に終わった。将来の主砲候補は来年のレギュラー奪回に燃えている。

 白球をたたく、わずか18球のインパクトが心地よかった。左膝にメスを入れてから2カ月近い。軽いスイングで恐る恐る左膝の感覚を確かめながら、岩本はティー打撃に臨んだ。あっという間の“試運転”を終え、自然と笑みがこぼれた。

 岩本

 うれしかったですね。足の具合を見ながら。結構、良かったですね。そんなに強く振っていないけど、体重を(左足に)乗せたときに痛みもなかった。

 大きな前進だ。今季は開幕スタメンに抜てきされたが調子は上がらず、7月中旬に2軍降格。打率2割2分3厘、3本塁打に終わった。来季の巻き返しを期すため、シーズン佳境だった9月16日に左膝オスグット症の手術に踏み切った。すでに約30分のランニングのほか、スパイクを履いてダッシュを行い、ゴロ捕球もこなす。この日も同箇所をテーピングで固定した状態だが、着実に回復する。

 つまずきの発端は開幕前にあった。3月17日のオープン戦中日戦(ナゴヤドーム)の試合前練習で同箇所を負傷。公式戦に入ってからは必死にレギュラー定着を目指す立場だけに痛みを隠してプレーしたが、軸足だけに力を込められず、打球をとらえるインパクトの瞬間にパワーの伝達も弱くなっていた。岩本が戦線から離脱し、外野手争いのライバル丸や松山らが活躍。不振の一因を取り除き、来季は心機一転で挑む。

 岩本

 (秋季)キャンプが終わるまでに打撃がしっかりできるようにしたい。僕がケガしたことで丸や松山さんが出た。自分が与えてしまったチャンス。やらないといけないなと思います。

 プロ2年目だった昨季は14本塁打。ステップアップを期待された今年は試練を味わった。今秋ドラフトでは同郷広島の早大・土生翔平外野手(4年=広陵)を指名。「同じ広島出身。ライバルになりますが、頑張れればいい」と話すなど新たな発奮材料も加わった。来年2月の春季キャンプで猛練習に耐えられるよう、いまはケアに専念する。真のスラッガーを目指し、岩本がいばらの道を突き進む。【酒井俊作】