新人王サブマリンが、日の丸を狙う。西武牧田和久投手(27)が、13年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場へ意欲を燃やした。12日、都内の早稲田予備校で、球団営業の高木大成氏(38)とともにトークショーを行った。予備校生からの質疑応答でメジャーへの興味を問われ「チャンスがあれば、挑戦してみたい」とリップサービスしたが、活躍してまだ1年。立場を自覚し、まずは2年後のWBC代表入りを目標に掲げ「球界を代表する選手になって、選ばれたら光栄です」と話した。

 変則投法が、日本のWBC3連覇の秘密兵器になるかもしれない。下手投げから独特の軌道は、1年目シーズンからプロの打者を散々苦しめた。特に初対戦の打者が「タイミングが合わない」と手を焼いた。フル回転した今年の活躍で先発、抑えもできることは実証済みで、使い勝手がいい。戦力的にも、目先を変えるコマが1枚いるだけで違う。第1回WBCでロッテ渡辺俊が重宝されたように、国際舞台の短期決戦となれば、ますます効果が期待できる。

 この日、受験を直前に控えた現役、浪人生合わせて60人と握手し、新人王パワーを注入した。プレッシャーを克服するために「僕は『いつも通り』を心がけてます。120%の力を出そうと思ってもできない。受験で解けない問題にぶつかった時も、今まで自分がやってきたことだけを信じて、プラス思考で頑張ってください」とエールを送った。厳しいマウンドでも、国際舞台でも、平常心でいられる強心臓が牧田の最大の武器だ。【柴田猛夫】