30発打つんじゃ!

 広島栗原健太内野手(30)が約3週間前倒しで“キャンプイン”した。9日、自主トレのため広島空港から沖縄入り。合同自主トレの先乗り部隊(13日入り)よりも早く、沖縄で始動する。例年、年明けに行っていた米国での自主トレも年末に前倒し。自身初の30本塁打を目標とする主砲は、開幕直後に苦しむ傾向を打破するため、南国で振り込む。

 前日8日に30歳になったばかりの栗原が、表情を引き締めて広島を出発した。2月1日の“キャンプイン”を3週間以上も前倒し。暖かい沖縄で、目いっぱいバットを振り込む。目指すは自己初の30本塁打だ。

 栗原

 毎年、開幕に合わせると言ってできていないので、年ごとに少しずつ変えながらやっていますが、今年は沖縄で技術的な練習を多くやりたい。

 ここ6年は、年明けに渡米し、アリゾナのトレーニング施設で2週間から20日程度、自主トレをこなしてからキャンプインしてきた。その流れを変え、今回は米国でのトレーニングを昨年末から年始にかけて実施。約2週間前倒しした。栄えあるゴールデングラブ賞の授賞式も欠席してまで練習を優先させ、米国でウエートトレ中心にみっちり体をつくってきた。102キロあった体重も、98キロまで落として帰国。「動けるという点ではプロ入り最速かも」と仕上がりの早さには栗原自身も手応え十分。帰国から1週間で沖縄に練習場所を移し、春季キャンプ終了までの52日間、自分を徹底して追い込む。

 沖縄では午前中にランニングなどを行い、午後はティー打撃やノックなどに充てる予定。13日に東出ら合同自主トレの先乗り部隊が合流すれば、以後はフリー打撃など技術練習の幅も広げていくつもりだ。

 昨季は統一球への対応に苦労し、5月ごろからバットの重さを軽くしたが、今季は元に戻す。

 栗原

 (統一球は)打感が重い感じだったので、重いバットのほうが対応できると思う。本塁打?

 30本打ちたいですね。

 87打点を挙げたが昨季は序盤の出遅れが響いて17本塁打止まり。主砲が自己初の30発を打てば、毎年目標に置く100打点が近づく。21年ぶりの優勝を実現するため、栗原の挑戦が始まった。【高垣誠】