最速デビューでエリート教育だ!

 中日ドラフト1位の高橋周平内野手(17=東海大甲府)が高木竜の初陣となる2・11韓国LG戦で実戦デビューすることが決まった。名古屋市内のホテルでスタッフ会議に出席した高木守道監督(70)が「故障がなければ、もちろん使う」と明言した。もし実現すれば、竜の高卒新人野手としては最速の対外試合出場となる。

 ゴールデンルーキーが竜史上最速の対外出場へ前進した。キャンプ第2クールからの実戦を打ち出した高木監督は、驚きのプランを披露。1軍スタートさせる予定の高橋周を高木竜初実戦となる2月11日韓国・LG戦で起用する考えを明かした。

 高木監督

 期待の選手なので、上(1軍)でずっと見ていこうと思う。11日の試合?

 あるんじゃないですか。故障なくやれれば、もちろん使うと思う。実戦の中で覚え込んでいく方がいい。

 実現すれば前代未聞のスピードデビューだ。1年目から新人王に輝いた立浪が88年2月7日の紅白戦に出場した例はあるが、対外試合となれば高卒1年目では高橋周が最速となる。先輩たちと試合に出ることでプロの実力を肌で味わう絶好のチャンス。高木監督は将来のクリーンアップ候補に早い段階からエリート教育を受けさせる考えだ。

 ナゴヤ球場で新人合同自主トレに参加した高橋周は11日、持久走、キャッチボールなど、みっちり5時間の練習で汗を流した。最後は要請に応えてテレビカメラを向けられながら豪快なティー打撃も披露。練習後に50人近くの報道陣に囲まれた金の卵は、驚きのプランを伝え聞いて目を丸くした。

 高橋周

 本当ですか…?

 緊張すると思います。チャンスはそんなにないと思うので、できることをしっかりとやっていきたい。(試合では)びびらずに初球から振っていきたい。

 キャンプ中の実戦は、2月11日を皮切りに10試合も組まれている。この日、ナゴヤ球場を訪れた高木監督はスタッフ会議のため、練習を見ることなく球場を後にした。自慢のスイングを目の前でアピールできなかったが、キャンプインすれば機会はいくらでもある。キャンプ10番勝負で指揮官の目をくぎ付けに。開幕1軍も夢ではない。【桝井聡】

 <主な大物の初陣>

 ◆西武清原

 86年2月17日、高知・春野で行われた紅白戦に6番一塁でスタメン。第1打席は二飛に倒れたが、第2打席で高山から右前打、第3打席でも同投手から痛烈な中前打。3打数2安打の滑り出しに「満足いく結果やった」と笑顔を見せた。

 ◆中日立浪

 88年2月7日、沖縄での紅白戦に2番遊撃で先発出場。第2、3打席と得点圏に走者を置き、いずれも右前適時打。3打数2安打3打点の鮮烈デビューに「2本も打ててうれしい」。

 ◆巨人松井

 93年2月17日、宮崎キャンプ初の紅白戦に7番左翼で先発出場。2回の第1打席で広田から中越え三塁打を放ち、プロ初安打、初打点を記録。初の実戦で改めて怪物ぶりを見せつけた。