個性派集団のトリを飾ったのは、ドラフト1位だった。西武十亀剣投手(24=JR東日本)が、「なぞかけ」を初披露した。29日、西武第2球場で行われた新人合同自主トレが打ち上げた。ドラフト2位の小石から、締めのあいさつをむちゃぶりされ「南郷キャンプとかけまして、果実のつぼみと解く。その心は…どちらも“実”になるでしょう」と果敢に挑戦した。

 話題豊富な同期生に対抗する攻めの一手だった。俳句大会で受賞経験がある小石、中学時代に河川敷の野草を食べていた駒月など、個性的なキャラクターが集結。一矢報いるために、瞬時に頭をひねって、しぼり出したひとネタだった。「小石が1句なんで、同じじゃ面白くないと思って…。整えようと思ったんですが、全然整えられなかった」と顔を赤らめた。

 自己採点は辛かった。「南郷は果実が有名なんで、それにかけて…」と説明したが、周囲の反応を見ながら「すべりました。今日も小石に(話題を)持っていかれますね」と苦笑いで陳謝。小石とともに臨んだ取材では、小石のボケにツッコミを入れようとしたが「すみません、かみっぱなしで」と動揺?

 を隠せなかった。

 ユーモアを見せたのも、順調な調整の証しだった。8日から始まった合同自主トレでは、即戦力ルーキーの片りんを披露。ランニングメニューはすべて先頭でリードし、ブルペンでは威力のあるボールを投げ込んだ。「しっかり鍛えられたと思います。ここからが勝負なんで、シーズンに向かって頑張っていきたい」。マウンド上で、話題を独占する。【久保賢吾】