4番対決は新井に軍配!

 23日の阪神紅白戦、紅組の4番に入った金本が2打数無安打に終わったのに対し、白組4番の新井貴浩内野手(35)は2安打2打点と大活躍。和田監督が本命とする昨季打点王が、新フォームで進化を示した。

 「自分のやることに集中していたから、まったく意識してなかったです。皆さんだけでしょう、意識しているのは」

 相手の4番金本について問われるとそう答えた。コメントが表すように、新井は地に足がついている。決して、周囲の動きに流されない。これが初の実戦。例年なら普通だが、主力が軒並み早く仕上げている今年はブラゼルと並ぶ「大トリ出場」だったが、ペースをまるで崩さない。

 ずれ込んだ理由は明確だ。全身の張りで足踏みしたこともあるが、新フォームを固めるため黙々と打ち込んでいた。構えから上半身の力を抜き、下半身に意識を置いたまま打ちにいく。初回は能見の外角変化球を左手1本で左前へ“先制適時打”。7回は西村のスライダーを中越えに。「下」を使えるから変化球に対応できる。

 「感覚的なものなので説明は難しい。より下半身を使えるような打ち方ということ。初めて試合に出たけど、ボールは見えているし、ボチボチかな」

 和田監督は新井の4番が基本線としながらも「金本も4番を争えるところまで戻っている」と言う。師弟関係にある新旧4番。たくましさを増した背番号25の優位は動かない。【柏原誠】