6連勝中の広島が首位固めに入る。6日DeNA戦(横浜)でノーヒットノーランを達成した前田健太投手(23)が、今季初の中5日で12日阪神戦(マツダスタジアム)に登板する。今日10日は連勝をスタートさせた大竹寛投手(28)あす11日は福井優也投手(24)が登板予定。7連勝となれば09年以来3年ぶり、野村政権では初めて。首位固めウイークにする!

 土も付かずに凱旋(がいせん)した。投手陣の活躍で6連勝を飾り、単独首位に躍り出た。前田健のノーヒットノーラン、ルーキー野村の初勝利-。球団記録を塗り替える39イニング連続無失点を彩るように、早くもコイ祭り状態だ。

 今週は5試合の日程を利用し、前田健が今季初の中5日で3戦目に登板する。昨季阪神戦5試合で4勝1敗、防御率2・48を誇る虎キラーの登板は首位固めするためには好材料だ。前回登板の6日DeNA戦では、8回まで1点リードの状態の中で偉業を達成。技術的にも、精神的にも充実している。

 前田健

 1-0だとプレッシャーがかかって、難しい投球になる。それで勝つと、次は3-0ぐらいでも楽に感じることが出来る。

 開幕戦のような全力投球ではなく、打者を見て力加減に強弱を付ける本来の投球に戻った。2年連続200イニングを投げられる秘訣(ひけつ)でもある。

 開幕カードの負の連鎖を断ち切った大竹が、先陣を切る。かつての剛腕ではなく、3日巨人戦では緩急を使った投球で7回5安打無失点で本拠開幕戦でチーム初勝利。今日10日は杏里夫人の誕生日だが、投球スタイルを変えることはない。

 大竹

 1人1人丁寧に投げて、アウトを1つずつ。自分がやれる限りのことをやっていく。

 先発投手陣で、唯一勝ち星のない福井にも悲壮感はない。4日巨人戦で直球は最速149キロをマークし、5回までで自己最多タイの8三振を奪った。昨季阪神戦は6試合で0勝4敗、防御率8・61と苦しめられた相手で、真価を問う。

 福井

 僕だけが勝っていないことは意識せずに。試合を作ることを考えて投げます。

 先発ローテ唯一左腕の篠田は、いったん中継ぎに回り次回の登板を待つ。江草とともに、人手不足の左腕中継ぎの穴を埋める。

 7連勝となれば、野村政権初。再び本拠地で虎を相手に連勝を伸ばし、9連勝となれば、98年以来14年ぶりの快挙となる。投手力が物を言う春先に、貯金を荒稼ぎする。【鎌田真一郎】