<中日4-1巨人>◇19日◇ナゴヤドーム
中日吉見一起投手(27)がライバル巨人相手にやり返した。9回1失点と粘り、今季初完投で3勝目を挙げた。巨人には前回登板の12日に東京ドームで黒星をつけられ、昨年からの連勝を12で止められていた。その悔しさを晴らし、新たな連勝街道へ再スタートを切った。
やられたらやり返す-。これが、食うか食われるかのプロの世界で勝ち抜くために大事なこと。吉見がライバル巨人相手に、キッチリとお返しした。
立ち上がりから、本調子ではなかった。味方が1点を先制してくれた直後の2回に、先頭村田から3連打で簡単に同点とされた。「見ての通りです。ボールが狙ったところに行かなかった」。こんな敗戦投手のようなコメントでも、109球で勝利を手にすることができる。これが昨季セ・リーグ2冠投手の真骨頂だ。
ブルペンで調子が悪いと自覚し、まず頭の中を切り替えた。「調子が悪い」というイメージを「ゴロを打たせよう」と徹底することで脇へと押しやり、頭の中から負のイメージを消し去った。次は技の修正だ。イニング間のキャッチボールでワンバウンドを投げたり、下半身を強く意識してリリースすることでボール自体も何とか改善した。結果は今季初完投。「調子どうこうでやっているわけじゃない。こういう時に勝てたのはすごく大きい」。何とも頼もしい。
巨人にやられたままでは終われない。2連敗などもってのほか。「2週連続で同じチームに負けるというのは、ピッチャーにとってこれ以上ない悔しいことなので」。連勝も止められていたが、そんな数字より勝ってプライドを取り戻したかった。前回は6回降板させられた。相手から勝ち星を奪い、ふがいない自身にも完投でケリをつけた。これ以上ないリベンジ劇だった。
海の向こうから刺激を受けている。昨年までの同僚でずっと認め合い、かわいがってきたチェンがオリオールズでメジャー初勝利を挙げた。「自分のことのようにうれしいですね」。この1勝が、吉見の連勝街道の再スタート地点となるはずだ。【八反誠】



