<広島0-2中日>◇20日◇マツダスタジアム
中日が谷繁元信捕手(41)の攻守にわたる大活躍で3連勝、9日ぶりに首位を奪回した。先発山内を叱咤(しった)激励しながら好リードし無失点リレーを演出。打っては7回に均衡を破る今季初適時打を放ち、緊迫の投手戦を制す原動力となった。10勝にはリーグ一番乗り。24年目の司令塔が頼もしい。
グラウンドで利かし続けたニラみは、全開スマイルに変わっていた。「ガハハハハッ!」。3連勝、9日ぶり首位奪回を導いた谷繁が豪快に笑った。攻守にわたる大活躍で制した1勝には、プロ24年目の技が凝縮されていた。
真骨頂は6回だった。0封を続けてきた山内が1死一、二塁とされ、3番丸にもストライクが入らず2ボール…。このタイミングでタイムを取り、マウンドへ。「こんな時こそ、お前の持ち味でゴロを打たせろ」-。抜群の呼吸が入り、山内も「冷静になれました」。丸は歩かせたが栗原、ニックを内野ゴロに打ち取った。
そしてピンチを救った直後の7回の攻撃だ。2死一、二塁。バリントンの外角スライダーに食らいつき、しぶとく左前に落とした。今季18試合59打席目の初タイムリー。自身のカツに力投で応えた山内に2勝目を届ける決勝打となった。
谷繁
どんな球を打ったのかも分からない。飛んだ所がよかった。少ないチャンスだから、ヒットになればと思って打席に入った。
開幕前に捕手の命綱とも言える右肘を痛めた。だが懸命の治療で開幕に合わせた。今なおサポーターを巻いているが、肘が悪いと思って走ってくる走者を次々と刺し、阻止率は4割を誇る。「捕手は勝って初めて評価されるから」。心理戦でも全知全能を尽くし、縁の下からチームを支えている。
今季は3連覇以外の個人目標もある。1発を打てば、新人から24年連続本塁打でプロ野球新記録になる。「張本さんや門田さんとかと違って、毎年1桁でほそぼそだけど、自分でもよう打ってるなと思う。名前が残るのはいいことだから」。山本昌や山崎に負けじと、こちらのベテランもまったく老け込む気配はない。
高木監督も「今日は谷繁がいい感じでやってくれたね」と絶賛。捕手冥利(みょうり)に尽きる1勝だった。【松井清員】



