<楽天1-0西武>◇9日◇Kスタ宮城

 ベテラン左腕がチームの連敗ストップに貢献した。楽天川井貴志投手(35)が西武戦に先発し、今季初勝利を挙げた。再三得点圏に走者を背負ったが、内外角のコーナーをうまく使い、落ち着いた投球で6回1/3を5安打無失点。粘りの投球で西武打線にホームを踏ませなかった。前回登板の西武戦では4回途中2失点で降板。先発の役目を果たせなかったが、2度目の対戦でリベンジを果たした。

 勝利の瞬間、川井は満面の笑みを見せた。7回途中でマウンドをリリーフ陣に託した。最終回、4番手の青山が2死一、二塁のピンチを背負う。ヘルマンの打球が右翼フェンス際へ上がった。大飛球だったが、右翼牧田のグラブに収まった。打球を見届けていた川井は思わずほっとした表情。「よかった~と思いました。リリーフの投手がみんな気持ちの入った球を投げてくれて、うれしかった」と今季1勝目を喜んだ。

 リベンジをかけた登板だった。前回登板の西武戦では4回途中で降板。勝敗はつかなかったが「自分の力を発揮できなかった」。ふがいなさを感じていた。内角攻めに偏りすぎ、西武打線に的を絞られていた。「こうしたらいいかなというのはわかった。弱点を見つけたと言えば見つけましたね」。この日は右打者の外角にチェンジアップ、内角に直球を投げ、ストライクゾーンの対角線を意識してうまく料理した。

 ピンチを背負っても要所で締める。ベテランの味は地道な努力にある。1月の自主トレ。例年、Kスタ宮城の室内練習場で1人黙々と練習を行う。ストップウオッチ片手にスプリント系のランニングを繰り返していた。「去年までのタイムと下がっていないかをチェックするんです。手を抜かないように。毎日100%、やったと思える日をつくるようにしています」。自分に厳しく。「ダメなら最後の年齢なので」と、常に覚悟を持って練習に取り組む姿勢が、結果につながった。

 毎年、投手陣が苦しくなる夏場に1軍昇格する傾向があるが、今季はエース田中の離脱もあり、早々に出番が回ってきた。厳しいチーム事情の中できっちりと仕事を果たした。チームの連敗を3で止め、星野監督も「ランナーを出してからも、早めにカウントをとっていたことがよかった」と攻めの投球を評価。ここぞという時に頼りになる男・川井の本領を発揮した。【斎藤庸裕】