佑ちゃんに闘魂注入ダ-ッ!

 今日12日の西武戦(函館)に先発する日本ハム斎藤佑樹投手(23)が11日、アントニオ猪木(69)から熱いエールを送られた。羽田空港から函館へ移動する航空機に偶然同乗。対面はしなかったが、燃える闘魂からゲキをもらった。斎藤は闘志が乗り移ったかのように、野手のみの指名練習に自主参加。交流戦前最後の登板を前に気合を入れ直した背番号18が、プロ入り初の地方球場で区切りの5勝目を狙う。

 トレードマークの赤いマフラーをなびかせた猪木が、斎藤にゲキを飛ばした。「佑ちゃん、闘魂ダ-ッ!」。日本ハムナインと偶然にも同じ航空機に乗り合わせた“燃える闘魂”。斎藤とは過去に共通の知人を介して2度ほど電話で話したことがあるという。ニアミスでビンタによる闘魂注入とはいかなかったが、あふれんばかりの熱烈エールを送った。

 競技は違えど、同じ勝負の世界に生きる者として認める部分がある。「勝負事は運が大事。彼は強運を“持ってる”よね」。数々の修羅場を戦い抜いてきたからこそわかる境地。紙一重で勝ち負けが決まる、厳しい環境で生き抜く素養を持つ斎藤を評価している。プライベートで訪れたという格闘界のカリスマは「はこだて観光大使」を務めており、「頑張ってほしいね」と函館を盛り上げるためにも斎藤の勝利を願った。

 闘魂注入効果は早速、表れた。この日予定されていた野手のみの指名練習に、投手では斎藤がただ1人参加。猪木ばりの赤色のサングラスを身につけ、さっそうとグラウンドに飛び出した。ダッシュやキャッチボールを行い、調整は完了。先発予定だった前日10日ロッテ戦が荒天で中止となり、プロ入り初のスライド登板となるが「問題ないです。いい感じです」と全く気にするそぶりもない。

 試合会場も入念にチェックした。プロ初の地方球場での登板。真っ先に確かめたマウンドは「ちょっと硬めでした。札幌ドームと同じ感じかな」とイメージを膨らませた。昨年は左脇腹の故障で先発予定が流れてしまった地。「去年来られなかったので、すごく楽しみ」と気持ちも高ぶる。燃える佑ちゃんが、交流戦前最後の登板で、区切りの1、2、3、4、5勝目ダ-ッ!【木下大輔】