中日山崎武司内野手(43)が21日、第2の故郷仙台で復活&復興の1号を誓った。今日22日から古巣楽天と2連戦(Kスタ宮城)。移籍後初のDH、7番で出場予定だ。この日は東日本大震災の被災地で、宮城県亘理郡にある山元町立山下中学校(全校生徒266人)と坂元中学校(同93人)を訪問。復活弾が復興への力になればと決意新ただ。

 涙のヒットで飾った昨年10月の楽天退団ゲームから7カ月。ついに仙台に帰ってきた。いよいよ今日22日から、古巣との2連戦。7番DHで出場予定の山崎には、期する思いがあった。

 山崎

 Kスタに来ることを目標にキャンプから頑張ってきた。幸せだねえ。元気にやってるとこ、いいとこを見せたい。最高の形がホームラン。まだ1本も打ってないし、勝ちに貢献する1発を夢見て頑張るよ。

 移籍1号はKスタで放つ。打てば史上8人目、近鉄を含む13球団制覇弾も達成する。これが創設から7年間在籍した古巣への恩返し。そして何より、震災からの復興途上にある東北の力になりたい。この日、甚大な被害を受けた宮城県山元町の2つの中学校を訪問し、思いは一層強くなった。

 山崎

 何ごともあきらめない気持ちが大切と伝えたかった。復興には若い力が先頭に立って頑張ることが必要だから。でも逆に力をもらいました。明日は、この子たちが大人になった時、そういえば昔、山崎が来たなと思い出してもらえるような1本を打ちたいね。

 坂元中学では生徒会長で野球部員の星大貴君(15)が津波で家を流された。避難所を転々とし、今も仮設住宅で暮らす。だがどうしようもない絶望感の中でも、テレビを通じて見る山崎の姿に何度も励まされたという。「一生懸命なところが大好き。憂鬱(ゆううつ)な暗い気持ちの時も、山崎選手のプレーに勇気をもらいました」。

 星君のように、東北では楽天時代から山崎を応援する子どもたちが多い。そしてみんなが、今日からの2連戦を楽しみにしている。戦力外からはい上がり、復活する姿は、東北が震災から復興する姿とダブる。だからこそ描きたい希望の虹アーチ。フルスイングに、魂を込める。【松井清員】