<楽天3-1広島>◇3日◇Kスタ宮城

 肝っ玉ルーキーが、マー君直伝スライダーで、本拠地デビュー戦を勝利で飾った。楽天の釜田佳直投手(18)が広島打線を7回途中3安打1失点に抑え2勝目。チームの連敗を3で止めた。この日は最速149キロの直球以上に、田中の助言で精度を増したスライダーが威力を発揮した。Kスタ宮城では1軍初登板。お立ち台で、田中の1年目の成績(11勝)超えを目標に掲げた。

 釜田は腕を振り切った。2-0の4回1死満塁、広島広瀬をこの日最速149キロで空振り三振。「シャッ!」とほえると、いったん頭をリセットした。次は堂林。前打席でスライダー中心に攻め、見逃し三振を奪っていた。「スライダーに合っていない」。捕手の小山桂と思惑が一致。3つ続け、3つ空を切らせた。勝負どころをしのぎ、再び「シャッ!」。エース田中ばりに感情をむき出しにしたが「あれぐらい(の声は)普通に出ると思います」と言い切った。

 エースと同じにおいは、声だけではなかった。2日前の練習中、田中と一緒になった。先月27日の初勝利後「おめでとう」と声を掛けてもらったが、あまり話が出来なかった。仰ぎ見る存在に思い切って聞いた。

 釜田

 スライダーが思ったところに入らないんです。どうしたら、うまく投げられますか?

 田中

 投げたい方向に、しっかり腕を振るといいよ。

 聞きっぱなしにはしなかった。「曲げたい、曲げたいと思うと、腕が外回りになる。それを抑え、いかにストライクゾーンに投げるか」と自分の解釈を加えた。だから、堂林に対し「自信を持って」投げられた。1軍デビュー前の5月にも、似たことがあった。投手担当の高村育成コーチとキャッチボールを組み「高村さんのスライダーの握り方、腕の振り方を参考にしました」。周りから貪欲に学ぶ。その姿勢が、本拠地初登板での白星につながった。

 お立ち台では「田中さんの1年目、11勝に少しでも近づきたい。超えるつもりで頑張ります」と締めた。だが、ベンチ裏では7回2死一、二塁を招いての降板に「投げきらないと。悔しいです」と繰り返した。勝って、なお上を見た。自分に厳しいのも、田中にそっくりだ。【古川真弥】

 ▼釜田が2勝目を挙げた。高卒新人が無傷の2連勝は08年唐川(ロッテ=3連勝)以来で、楽天では初めて。交流戦2勝した高卒新人は07年田中(楽天=3勝1敗)に次いで2人目。2回の広瀬から3回梵まで5者連続奪三振を記録したが、これも高卒新人では07年田中が10月3日日本ハム戦でマークして以来。この日の3安打は東出、岩本、天谷とすべて左打者。この3試合、左打者には被打率4割と打たれているが、右打者は36打数2安打、13三振、被打率5分6厘。