<ソフトバンク2-7西武>◇4日◇福岡ヤフードーム

 稲尾氏に勝利をささげたのは、西武の「鉄腕」ならぬ「鉄人」栗山巧外野手(28)だった。同点の6回2死二塁、星秀が摂津のシンカーを中前に運び勝ち越し。「同じ球でやられていたので、同じ轍(てつ)は踏まないように。三遊間に打つイメージで狙っていた」。1日の日本ハム戦で一塁へヘッドスライディングした時に左手を負傷したが「痛いなんて言ってられない」とパンパンに腫れた手を包帯で巻き、グラウンドに立つ「鉄人」が均衡を破った。

 試合を決定付けたのは、チーム一の「鉄人」だった。リードしたあとの6回2死一、二塁、栗山が内角の直球を右翼フェンス直撃の2点適時二塁打。さらに9回にはダメ押しの今季1号2ランを放った。「追加点が欲しいところで、いい打撃ができた」と納得の表情。2年連続フルイニング出場を達成し、今季も左太もも痛に耐えながら、グラウンドに立ち続ける「鉄人」が、勝利を引き寄せた。

 稲尾氏に導かれるように、負の連鎖を止めた。08年から復刻ユニホームでの試合が行われてきたが、福岡ヤフードームでは8連敗。チーム全員が背番号24を背負った球界初の試合で初勝利を飾った。1日の日本ハム戦では引き分けだっただけに、渡辺監督は「今日は最後だったので、稲尾さんの地元福岡で勝利をプレゼントできて良かった」と安堵(あんど)。歴史的一戦を勝利で彩ったナインに、稲尾氏が愛した博多のファンからも温かい拍手が送られた。【久保賢吾】