労組日本プロ野球選手会(新井貴浩会長=阪神)は20日、大阪市内で臨時大会を開き、来年3月に開催予定の第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参加しない方針を全会一致で決議した。米国が主導権を握る収益配分の不均衡を問題視。1年前から日本代表を支援する企業のスポンサー料を日本側に譲渡することなどを求めてきたが改善されなかったため、不参加を決めた。

 すでに参加を表明しているNPB側は一様に困惑の表情を浮かべた。20日午後には、京セラドーム大阪で12球団代表者らが集まって対応を協議。国際関係委員長でもある日本ハム島田利正球団代表(57)は「困惑?

 当然そうですね」と話し「(選手会に)説明不足があったかもしれない。(WBCは)侍ジャパンの価値を上げていくためにも必要と考える。早急に話し合いたい」と話しており、8月上旬にも折衝の場を持つ見通しだ。

 選手会側が要望するスポンサー権などの譲渡について、今後劇的に改善される可能性は低い。加藤コミッショナーも「今後も(主催者側との)交渉は続けていく。ただ交渉というのは相手もあること」と話した。その上で「(WBCが)日本の野球ファンに対して持っている意味。2回連続チャンピオンになって、その意味は大きくなっている。ファンの大きな期待がかかった試合。それを無視するのはどうか…」と、心情に訴えていく考えを示唆した。