<阪神9-2DeNA>◇29日◇甲子園

 阪神先発能見篤史投手(33)が踏ん張り抜いて、大きな白星を手にした。1回、いきなり先頭荒波に左翼へ三塁打を浴びると、内村の打席で藤井彰が三塁へけん制悪送球。またもミスで先制点を許した。直後に2者連続で四球を与えて正念場を迎えたが、左腕を思い切り振った。

 ラミレス、金城を内角直球で打ち取ると、渡辺直の三塁線への強烈なゴロを新井良が好捕。アウトに仕留め、1失点で切り抜けた。「いま思えば、初回に1点で終わったのが大きかった」。2回以降は立ち直る。3回には2死二塁でラミレスを低めに制球したフォークで空振り三振。直球を軸に変化球を生かす本来の投球を取り戻した。

 7回2失点で6月23日DeNA戦(甲子園)以来、1カ月ぶりの白星。6勝目はチームトップだ。藪恵壹投手コーチ(43)も「粘るのが持ち味」と笑った。今季は監督推薦で球宴に初出場し、広島前田健、大竹らと投球談義を重ねた。前半戦終盤は不調だったが、気分一新、後半戦の初戦を好発進した。