<ソフトバンク3-3楽天>◇12日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンクのルーキー武田翔太投手(19)の開幕4連勝は持ち越しとなった。初の楽天戦で2安打1失点ながら6回途中、100球の球数制限もあり交代。勝ち投手の権利を持って救援陣に託したが、森福の救援失敗で白星は消滅した。もちろん「先輩方に任せるしかなかったし森福さんも粘っていただきました」と恨み節などない。「ピッチングが良くなかったので次に生かしたい」。相手エース田中との投げ合いが自分に不足している部分を気付かせてくれた。

 5度目の先発は直球、変化球ともすっぽ抜けが目立った。その中で迎えた4回無死一塁、銀次の投前への送りバント処理だ。「行けると一瞬、思った」。しかし二塁送球はセーフ(記録は犠打野選)。直後、フェルナンデスに同点適時打を浴びた。さらに四球で無死満塁とプロ入り最大のピンチをつくってしまった。

 「高谷さんの声が聞こえたけど、目視していけるかもと思った。余計な賭けはしない方がいいですね」

 結果的には後続を三ゴロ、二塁併殺打。最少失点で切り抜け、非凡さを見せつけはした。それでも普段の投球ができない中、中盤での“勝負”を反省。この実戦での経験値は大きい。

 何より昨年沢村賞の田中が味方打線に毎回の2桁安打を食らいながらマウンドで戦う姿に心臓をわしづかみされた。

 「田中さんは調子が悪い中でもあの投球ができるし、尊敬します。今日は僕の気持ちが弱かったです」

 勝てば26年ぶりの高卒新人の開幕4連勝だった。そんな記録に替え難い体験が武田をさらにスケールアップさせる。【押谷謙爾】