<ソフトバンク1-1日本ハム>◇31日◇福岡ヤフードーム

 完封負けだけは絶対に阻止したい。ソフトバンク小久保裕紀内野手(40)の意地が、バットに乗り移った。0-1の8回に増井から貴重な同点打。外寄りの148キロ直球を打ち返し、転がるボールが中堅まで到達すると、一塁ベース上で総立ちのベンチに向けてガッツポーズを繰り出した。今季限りで引退を表明している主将が、執念のドローをたぐり寄せた。

 2000安打を達成した強打者のプライドが打たせた。2死二塁で4番ペーニャが敬遠気味に歩かされた。当然、ネクストサークルで燃えた。「9回に先頭で立つより、あの場面で打つ方がええやろう。あんな大歓声の中で打席に入れるんやから幸せや」。幾多の修羅場をくぐってきたベテランも興奮気味だった。

 延長10回の1死走者なしからは、左翼フェンスへ一直線の大飛球も、中田に好捕された。「最後のはちょっと詰まった。あれがホームランになるなら、引退せえへんわ。なあ?」と、いたずらっぽく笑った。

 秋山監督も同点打について「あのへんの勝負強さ、集中力、読みはベテランだな」と称賛。今季9度目の延長戦は勝ちきれなかったが、1日で3位に再浮上した。【大池和幸】