<日本ハム3-1楽天>◇4日◇東京ドーム

 主砲の一撃で首位に再接近だ。日本ハム中田翔外野手(23)が、楽天戦で逆転二塁打を放ち勝利に導いた。1点を追う8回1死二、三塁から、高いバウンドで三塁線を破る2点適時二塁打。チームは今季3度目の4連勝(1分け挟む)で、ソフトバンクに敗れた首位西武とのゲーム差を0・5に縮めた。

 弱冠23歳の「アニキ」は、面目を保った。1点を追う8回1死二、三塁。中田が、左翼線へ決勝の2点適時二塁打を放った。プロ初出場の高卒2年目谷口が、直前に右翼からの好返球で失点を食い止めてつくった流れ。チャンスメークは同じく20歳の西川だった。

 中田

 簡単にアウトになったら、後輩に偉そうに言えなくなる。打てて良かった。僕も若いですが、これからは若い力が大きくなってくる。

 勝負は一瞬だった。7回まで無失点投球の楽天美馬の初球のスライダーに反応した。「向こうからしたらピンチ。四球で出すのはきついだろうと思った」。ストライクゾーンで勝負してくると読み、構えた。1、2打席目はともに走者を置きながら凡退していた。「あのまま終わったら、立ち直れないくらい悔しかった」。気持ちを、すべてぶつけた。打球は三塁手の頭上を越えて抜けていった。

 ここまで全119試合に4番で出場。言葉には出さないが、疲れはある。福岡から東京へ移動した2日、空港で男女2人組から声を掛けられた。「体で不調な部分はありませんか?」。聞けば、手のひらから気を送り、治すのだという。「うさんくさい」とは思いながらも、体を預けてみた。腰のあたりに前後から両手をかざされ、約5分。出発を待つ乗客の注目を集める異様な光景。チームメートには、クスクスと笑われたが、最後までじっと体を静止して待った。「効果はよくわからないけど、なんだかあったかかった」。気休めかもしれない。今はそれでもいい。残り25試合。優勝へ向けて、力になるのであれば。

 いまだ味わったことがない、初体験の胴上げ、ビールかけ。視界には、それしかない。

 中田

 チームが勝てば、誰が打っても関係ない。最後は笑って終われたらいい。

 首位西武とは再び0・5ゲーム差。「アニキ」の背中が、頼もしく見える。【本間翼】