夢の補強や!

 阪神が日本人メジャーリーガーのW獲得を実現させる可能性が出てきた。獲得調査を続けてきた西岡剛内野手(28=ツインズ傘下3A)と福留孝介外野手(35=ヤンキースFA)に対して、4年前後の大型契約を提示する準備があることが分かった。夢プランが現実になれば、貧打にあえいだ打線の大改造が可能となる。

 1点を争う接戦を制した-、といっても、得点シーンは押し出しだけ。7回は3安打を放ちながらも、無得点に終わった。貧打を極めた攻撃力が、最下位DeNAと互角の戦いを演じている。来季への課題は明白で、全く迫力のない猛虎打線をいかに変身させるか。大幅な改造が必要ではあるが、夢の補強プランが浮上した。それが西岡&福留の日本人メジャーリーガーW獲得だ。

 阪神は8月の時点から渉外担当者が渡米し、新外国人や日本人メジャーリーガーの動向調査をスタートさせた。野手の目玉となる存在が、日本球界でインパクトのある実績を残した2人だ。球団首脳は言う。「内外野ともに補強ポイントはある」。一塁を守ったブラゼルの今季限りの退団が決定的となり、助っ人外国人のリストアップ作業を進めているが、日本野球に適応できるかは未知数。その点、日本人メジャーリーガーならば、その不安はない。

 西岡は二遊間と三塁を守れる貴重なユーティリティープレーヤーだ。さらにスイッチヒッターというのも魅力的。外野に目を向ければ、マートンが左翼の守備位置に移ることが確実。中堅と右翼という2つのポジションを簡単に若手に与えれば、戦力面で不安が生じる。そこに福留がピタリとはまる。

 西岡は28歳という若さがセールスポイントではあるが、ツインズとの契約を来年1年間残しているのが、問題点だ。福留は35歳という年齢が気にかかるが、球団首脳は「まだまだ3、4年は一線級で十分に活躍できる」と高く評価している。そんな2人には当然、金銭面でも抜群の条件を用意する方向だ。両者ともに4年前後の大型契約を結ぶ可能性が浮上。交渉次第ではW獲得も夢ではない。チーム再建に、オフの大補強を実現させる構えだ。

 くしくも渦中の福留は今日20日にも帰国予定。自由契約の立場であるため、電撃交渉に発展する可能性もある。グラウンド内の話題はすっかり乏しくなったが、オフの話題は猛虎が熱くなりそうだ。