<コナミ日本シリーズ2012:巨人8-1日本ハム>◇第1戦◇27日◇東京ドーム
異次元的なアーチだった。4回だ。阿部の先制打で1点を奪い、なお2死一、二塁。打席は8番ジョン・ボウカー外野手(29)。初球の真ん中高めスライダーを、スイングすると、打球は巨人ファンの待つ右翼スタンドに吸い込まれた。まさか、まさかの3ランだ。今季レギュラーシーズンの対左腕打率は1割6分3厘で本塁打はゼロ。ボウカーは「いい気分だ。勝利に貢献できてよかった。状態はだいぶいいので、2回ともいいスイングができた」と興奮気味に話した。
異次元采配だ。まさかの8番起用が、見事にはまった。7回には2死満塁から右越え2点適時二塁打だ。シーズン10打点の男が、5打点を荒稼ぎ。CS突破を決めた22日、一塁は古城だった。同じ左打者なら、勝ったまま動かさないのが一般的。そこを、あえて動かした。原監督は「このところ非常に調子が良い」と、CSチームトップの打率5割を抜てきの根拠にした。ただ「まあ、大きな期待であれば4番に据えるのでしょうけど、8番一塁という中で登用しました」とポロリ。宝くじのようなイチかバチかの起用だったというのも本音だった。
動かすことに意義がある。1回は長野に盗塁を命じた。2回は1死一塁からヒットエンドラン。積極的に動かすことで、CSで3連敗から3連勝したチームを、さらに活性化させた。試合前のミーティングでは「全員で、最後の山を越えていこう!」と鼓舞。シリーズ独特の異次元的なヒーローを待望していたが、ボウカーはまさにそう。しかも先発野手全員の14安打8点大勝。「フルスロットルでやりました!」と原監督。苦しんでCSを突破した経験が、チームを前に推し進めた。【金子航】
◆異次元の戦い
原監督が24日に「12球団の中で2チームだけが、このダイヤモンドを暴れることができる。それを誇りに戦えるのは、まさに異次元的な部分。日本シリーズという異次元に、入れるか」とコメントし、日本シリーズを「異次元の戦い」と位置付けていた。
▼8番打者のボウカーが3ランを含む5打点。シリーズで1試合5打点以上は、63年第7戦柴田(巨人=2番)6打点、71年第4戦末次(巨人=5番)5打点、78年第5戦大杉(ヤクルト=4番)5打点、98年第5戦駒田(横浜=5番)5打点、04年第3戦カブレラ(西武=4番)6打点に次いで6人目。過去5人の打順は2番1人、4番2人、5番2人で、6番以降の下位打者が5打点は初めて。第1戦で5打点も初めてになる。



