<コナミ日本シリーズ2012:巨人8-1日本ハム>◇第1戦◇27日◇東京ドーム
栗山ハムがまさかの大敗で日本シリーズ初戦を落した。栗山英樹監督(51)が先手必勝の期待を込めて送り込んだ先発吉川光夫投手(24)が4回4失点、7安打を浴びて降板。自慢のリリーフ陣も勢いづいた巨人打線を抑えられず、14安打8点を奪われた。9回に陽岱鋼外野手(25)のソロ本塁打で一矢報いるのがやっと。1-8で完敗発進にはなったが、まだ頂上決戦は始まったばかり。気持ちを切り替え、今日28日の第2戦から巻き返しだ。
表情は苦悶(くもん)に満ちていた。「先手必勝」と掲げた初戦で、まさかの大敗。栗山監督はファンへ、何度も頭を下げた。「本当に申し訳ない。日本中が注目する試合で、こういう展開…。申し訳ない。こういう試合を一番したくなかった」。ざんげの言葉を繰り返した。
恐れていたことが、現実に起こった。3連勝で真っ先に日本シリーズを決めた日本ハムに対し、全6戦を行い逆転で勝ち上がってきた巨人。真剣勝負の場から遠ざかっていた時間の差と勢い。簡単に埋められるものではなかった。「ゲーム勘がね…。言い訳にしちゃいけないけど」。先発の吉川は本来の力が出せないまま巨人打線に飲み込まれ、一方の味方はわずか3安打。吉川を序盤の4回で降板させる積極采配も、流れを引き戻す分岐点にはならなかった。
試合前、選手を集めた栗山監督は、熱くゲキを飛ばした。「ムチャクチャ緊張してもらっていい。頭が真っ白になって野球をやってもらいたい」。そして、続けた。「ウチは強い。こんなことは言ったことがないけど…勝とう!」、と。開幕戦の前、CSの前にも、指揮官は選手へ訓示した。だが「家族のために頑張ってくれ」、「思いきりやってくれ」など、自然体で試合に臨むための助けになる言葉を選んだ。今回は、違う。「勝ち」を強烈に意識させ、奮い立たせた。
勝ちにこだわる理由がある。相手は絶対的な強さを誇る強敵・巨人。「全国のファンに、ファイターズのすごさを知ってもらいたい」。注目度が高く、全国中継のある日本シリーズで、混パを制した日本ハムの強さ、完成度の高さを示す。それが北海道を、パ・リーグを代表して戦う使命だと感じていた。だからこそ、大きく点差が開いたことが、悔しかった。
だが大敗も惜敗も、ただの1敗であることは変わらない。「こういうゲームは2度としないようにしないといけない。幸か不幸か、今日を明日(28日)生かすことができれば、(敗戦にも)意味が出てくる。何が何でも、生かさないといけない」。栗山監督が愛する“家族”たちの実力は、こんなものではない。【本間翼】



