<コナミ日本シリーズ2012:巨人8-1日本ハム>◇第1戦◇27日◇東京ドーム

 日本ハムが誇るベテラン・コンビがうめき、失意に沈んだ。若手主体の野手陣の精神的支柱、稲葉篤紀外野手(40)と金子誠内野手(36)の攻守のブレーキが響いた。積極的なミスを責めない指揮官は、見どころのない自身の日本シリーズ初陣を嘆いた。「きっちりとやっていかないといけない。そうしないと流れが(相手に)いってしまう」。大敗への伏線を、頼みの2人がつくることになった。

 ベンチが意気消沈した。4点のリードを許した直後の5回。無死一、二塁のチャンスをつくった。金子誠に選択した策は、犠打。攻略の糸口が見えなかった内海から1死二、三塁をつくり、たたみかけていく狙いだった。初球ファウル、2球目見逃しで追い込まれ、強攻策を強いられて3球三振。追撃ムードが、一気にしぼんだ。

 先発の吉川を早めに見切り、代打を送って上位へつなぐのが青写真だった。走者を送れずに2死一、二塁のままだったため、当初予定していた切り札の二岡ではなく、鵜久森を代打で投入と、栗山監督らの思惑が大きく狂った。金子誠は「切り替えていく。次に機会があったら、必ず決める」と名誉挽回を誓ったが、ダメージは最後までぬぐえなかった。

 引き戻せない流れを決定づけたのは、もう1人の要の稲葉だ。その直後の5回の稲葉の一塁守備。1死一、二塁で、鋭かったが、ほぼ正面のゴロを、そらした。記録は二塁打。稲葉が「あれは捕れましたね」と、自覚する失策と記録されても、おかしくない痛恨のプレーだった。緻密な野球がチームカラーと誰よりも知るが、初戦で足踏みした野手陣の両輪。2人の奮起が、6年ぶり日本一奪取への必須条件になる。【高山通史】