合わせて3544安打の打撃コーチコンビ誕生だ!

 広島は29日、来季のコーチングスタッフを発表した。今季野手総合コーチを務めていた緒方孝市コーチ(43)が打撃担当となり、新任の新井宏昌打撃コーチ(60)と強力タッグを組む。12球団ワーストのチーム打率2割3分3厘だった貧打線の立て直しに、大きな期待がかかる。

 最強タッグが結成された。広島の来季コーチングスタッフが固まった。注目は打撃部門。通算2038安打の新井コーチと、通算1506安打の緒方コーチに、貧打解消の使命が託された。今季チーム打率は12球団ワーストの2割3分3厘。得点圏打率もリーグワーストの2割2分4厘。野手総合コーチからの配置換えとなった緒方コーチは、打撃部門再生に向けて思いを語った。

 「もう1本出ていれば、CSに行けるチャンスもあった。そこを一皮むけさせる、責任とプレッシャーがある。個人的にフォームも考え方も、伝えたいことがある」

 かつて、3年連続盗塁王を獲得したスピードスターは、打っても5度の3割をマークし、241本塁打を放ったスラッガー。要職を背負う資格は十分だ。

 緒方コーチは、さっそく打撃コーチとしての指導を開始した。秋季練習が行われたマツダスタジアムの三塁側ファウルグラウンドで迎、赤松、木村らにロングティーのトスを上げた。現役時代に取り組んだように、緩急をつけて、より実戦的な練習を演出した。

 新井コーチは「夜遅くまで指導するタイプではない。合理的、効率的な方がいい」と、これまでの広島とは違う指導方針を打ち出している。広島一筋の緒方コーチは、選手の橋渡し役も買って出る。

 「新井コーチも新しく来られるので、うまく連携を取って、選手が戸惑わないようにコミュニケーションを取っていきたい」

 課題克服に向けて、打つ手は打った。左右のバットマンのコンビネーションが、チームの浮沈の鍵を握る。【鎌田真一郎】

 ◆新井宏昌(あらい・ひろまさ)1952年(昭27)4月26日、大阪府生まれ。PL学園、法大を経て、74年ドラフト2位で南海入団。85年オフに近鉄に移籍し、87年に首位打者。92年に通算2000安打を達成して現役を引退。オリックス、ダイエー、ソフトバンクで2軍監督、打撃コーチを歴任。174センチ、69キロ。右投げ左打ち。

 ◆緒方孝市(おがた・こういち)1968年(昭43)12月25日、佐賀・鳥栖市生まれ。鳥栖高から86年ドラフト3位で広島に入団。95年から5年連続ゴールデングラブ賞、3年連続で盗塁王を獲得。99年には3割30本塁打を達成。09年に現役を引退し、10年から野手総合コーチ、守備走塁コーチなどを務める。181センチ、80キロ。右投げ右打ち。