うどん出せ!

 ラーメン出せ!

 中日高木守道監督(71)が秋季北谷キャンプ3日目の8日、ランチにダメ出しした。「これじゃ選手がかわいそうだ」。目を光らせているのは若竜の動きだけじゃない。やり玉に挙げたのは、練習の合間に取るお昼ご飯だった。

 8時間近いハード練習だが、経費カットで昼食は1300円ほどの幕の内弁当だけ。初日は量が足りず、おなかをすかした。増量を希望した2日目は天ぷらが山盛り。3日目はステーキと揚げ物が中心で、ほとんどノドを通らなかったという。

 「こんだけ暑い中でやってるのに、弁当じゃ腹に入らんよ。すぐ力が出るのはおにぎりとか炭水化物。うどんとかラーメンとか汁物もほしいだろ。今、屋台のラーメン屋さんが来りゃ、選手が20~30食買うわ。麺類も付けろと言ったんだ」

 どれだけハードな練習をしても資本は体。エネルギー不足では力も入らないし、キャンプそのものがムダになる。一番大事な所で経費をケチってどうするんだ?

 高木監督は即刻、球団に改善を要望。佐藤球団代表も「アスリートの食がなおざりではいけない」と変更を即断。今日9日から、一流ホテルのケータリングサービスを受けることになった。もちろん、監督推薦の麺類もシェフが熱々を提供する。

 「こんだけ練習してて楽しみは食べることしかないやん。昼はしっかり取らんと」。初日は朝から夜のミーティングまで9時間超の教え魔と化し、2日目は捕手コーチにポスト谷繁育成の挑戦状をたたきつけた。そして3日目は昼食にダメ出し…。選手を愛するがゆえの守道劇場はまさか尽くし。奇想天外、沖縄の秋だ。【松井清員】