<国際強化試合:日本3-1キューバ>◇18日◇札幌ドーム

 日本代表の沢村拓一投手(24)がWBCへ猛アピールだ。2回を1安打4奪三振無失点に抑え、わずか16球でキューバ打線を封じた。今季、沢村の1イニングあたりの投球数は16・42球だったが、球数制限が設けられるWBCを想定してか、球数を半減させる対応力を見せた。

 鋭い変化で切り捨てた。先発沢村が圧巻の三振ショーでキューバを封じ込めた。2回、先頭の5番セペダをフォークで、6番アブレウはスライダー、7番J・フェルナンデスは外角のボールゾーンに落ちるフォークで3者連続の空振り三振。強靱(きょうじん)な身体能力を持つ相手打者のバットが、ことごとく空を切った。確かな手応えは、気合の雄たけびに表れた。「キューバの選手はスイングスピードが力強く、当たればホームラン、長打があるので気をつけました」と、本戦メンバー入りへの好アピールに成功し、意気揚々とベンチに引き揚げた。

 投球スタイルをスパッと切り替えた。1回、先頭のカスティーヨへの初球は151キロ直球を投げ込んだ。相手打者は振り遅れながらもパワーで右飛。外野まで軽々と運ばれ、一瞬だけヒヤリとした。続く2番ベルにも直球勝負。高めに浮いた152キロ直球で左中間を破られる二塁打を食らった。1死二塁のピンチで答えが出た。「二塁打を打たれた後は変化球で勝負にいこうというイメージで投げました」。3番グリエルにスライダーを3球続け、3球三振を奪うと、力勝負から変化球主体の投球にチェンジした。

 国際大会での適性もアピールした。力投派だけにシーズン中は球数が増える傾向があった。だが、この日は有効と判断した変化球が低めにコントロールされ、切れ味も抜群。1回は6球、2回は10球で任された2イニングを無失点で抑えた。本戦では球数制限が設けられる。正式発表はされていないが、前回大会のルールでは第1ラウンド(R)は70球、第2Rは85球、決勝Rは100球が上限。先発投手が長いイニングを投げるためには、体力ではなく球数を抑えることは必須条件になる。

 伝説の投手として語り継がれている沢村栄治が背負った14番のユニホームで好投。同時に反省点も明確になった。「初球の入り球の真っすぐが甘かった。国際大会や本戦では命取りになるケース。今後は注意していきたい」と、話す課題も収穫だ。雪が降る札幌で12年最終登板。来季につながる、世界につながる、有意義な16球だった。【為田聡史】