西武菊池雄星投手(21)が、日本ハムに入団した大谷翔平投手(18=花巻東)との「花巻東タッグ」で、東日本大震災の復興支援に取り組むプランを立てた。29日、岩手・宮古市のグリーンピア三陸みやこで、講演会&トークショーを開催。同施設内には仮設住宅が建てられ、市内にはいまだがれきが残るなど、震災の爪痕が残る中、集まった400人の被災者を言葉と勇姿で元気づけた。

 壇上から見える被災者の笑顔が、新たな決意となった。「自分なんか行っても、何もできないと思っていたけど、被災者の方の笑顔とか、おじいちゃん、おばあちゃんの喜んでくれる姿を見て、絶対に続けていこうと。少しずつでも、毎年、何かしらやっていこうと思いました」。昨年も岩手・陸前高田市、釜石市を訪問したが、あらためて支援を継続する意義を肌で感じ取った。

 強力なパートナーになるのが、後輩の大谷だ。ともに岩手で育ち、甲子園を沸かせた「怪物」。「彼は忙しいですからね。僕が彼のスケジュールに合わせます」と冗談交じりに日程を譲歩する案を示したが、来オフにも夢タッグが実現する可能性が出てきた。大谷とは24日に再会したそうで「160キロを投げるにはどうすればいいの?」と質問。苦笑いで返されたというが、この日はプロの先輩として、エールを送った。

 菊池

 好きなようにやった方がいいと思います。自分は周りの目を気にしすぎちゃって…。早く1軍で投げたいだろうけど、ゆっくりとマイペースで。

 司会者から、大谷との対戦を問われ「彼は怪物ですから。できれば、投げ合いたくないのが正直なところ」とかわした。2人の間に余計な言葉は不要。マウンドで投げ合うその時、思いをボールに込める。【久保賢吾】