「こねこね作戦」でWBC3連覇に挑む。巨人杉内俊哉投手(32)が30日、滑るといわれるWBC公式球を操る鍵は「ボールをしっかりこねること」と明かした。日本で、ただ1人の3大会連続出場を目指す左腕は「経験してない人はすごく戸惑うと思う。(WBCの)2回目は何とか克服できたけど、1回目は全然投げられなかったので。そこの問題でしょうね」と、滑りの克服が鍵と指摘した。

 1点が命取りとなる国際大会では「ランナー一塁でも、このランナーをかえしたらいけないとか考えてしまう」と言う。大事なのは「四球を出さない」こと。滑るとされるボールは難敵だが、危ぶむなかれ。前回大会で防御率0・00の「ミスターゼロ」に不安はない。「(球審から)新球を渡されたら、どこに行くか分からないですから。日本のボールみたいに、ちょちょっとこねて投げられるような感じじゃない。しっかりこねないといけない」。納得いくまでこねて手になじませることの重要性を、日本代表の投手陣に伝えていくつもりだ。

 シーズン後半に違和感を覚えた左肩も順調に回復。1月の自主トレでのブルペン入りも見えてきた。「日本の投手のコントロールはすごい繊細ですから。0点に抑えれば負けることはない」。ボールさえ使いこなせば大丈夫-。先発でも抑えでもフル回転の気構えを見せる左腕は侍ジャパン投手陣の底力を信じている。【浜本卓也】

 ◆杉内のWBC

 過去2大会で計7試合に登板。打者34人に対し、被安打は06年2次リーグ韓国戦で李炳圭に許した中前打1本だけ。09年の第2回大会では打者21人を無安打に抑え、無失点だった。