巨人のドラフト1位、菅野智之投手(23=東海大)が「考」をテーマにプロ生活を走りだした。10日、川崎市のジャイアンツ球場で新人合同自主トレが始まった。菅野はキャッチボールは強さ、正確さともに群を抜き、同期入団選手や関係者を驚かせた。投球を受け、宮崎春季キャンプの1軍スタートに加え、2月中旬に始まる実戦登板デビューまで内定。「夢見ていた」という巨人で文句なしのスタートを切った。

 地面と平行に直進するライナーを狙った的に集めた。菅野のキャッチボールは、軌道もコントロールも、プロ1年生のボールとはかけ離れていた。全体の動作が終始ゆっくりで、球威とのギャップが大きい。「ここで練習するのが夢だった。今日の気持ちを忘れないように」との初々しいコメントとは裏腹の“えぐい”キャッチボールだった。

 新人は、ホワイトボードに「今日の一文字」を記してから練習する。『考』を選んだ菅野は「特にピッチャーは、考えることが大切なポジションだから」と理由を明かした。では、キャッチボールの『考』とは何なのか。「まず相手を見て、胸に目がけて投げる。小さなころから変わりません」と話し「右手と左足を連動させないことが大事だと考えています」と続けた。

 菅野

 左足をしっかりとついてから、右手で投げる。左足で「間」を作る。傾斜のある、なしに関係なく、特に意識しています。

 横目で見ていたドラフト2位の大累進内野手(22=道都大)は「見たことないキャッチボール。腕が遅れて、しなって出てくる感じで」と証言した。的を凝視してから投げる。間を取り、下半身のパワーを受け止めて、順序よくボールに伝える。理詰めだから際立つキャッチボールだった。

 菅野はキャッチボールで周囲を納得させた。川口投手総合コーチは「ボールに存在感があった。何の問題もない」と評し、投手の1軍キャンプメンバー18人に「当然入ってくる」と話した。「宮崎の終わりか、沖縄の始めか」と、2月中旬から始まる実戦形式での登板を青写真として描いた。「練習は毎日ある。1つ1つの動作の意識が、正しいフォームになる。その積み重ねが、大きな差になると思う。突き詰めていきたい」と菅野。地に足をつけ進む。【宮下敬至】