藤浪くんは「虎のプリンス」のにおいがするね~。阪神の新人合同自主トレ初日から、周囲はドラフト1位藤浪晋太郎投手(18=大阪桐蔭)にほれ直した。和田豊監督(50)が躍動感あるランニング姿をOB新庄剛志氏(40)に例えるなど、待望だったグラウンドの「生藤浪」に絶賛の嵐。虎の救世主は、わずか1日で首脳陣をとりこにした。

 待ちこがれた日が来た。恋人がついに、虎の一員として鳴尾浜にいた。和田監督は緊張気味の藤浪ら新人に近寄り、三塁側ベンチ前でガッチリと握手。続いて7分間、プロの心得を説いた。指揮官は黄金ルーキーのブルペン入りを直接見ることはなかったが、既に投げる前から驚いていた。

 和田監督

 ランニング1つでもストライドが大きい。新庄が入ってきたころ、あんな感じで跳びはねるようだったよね。本当に躍動感ある走りをしていた。走りもセンスが出るからね。

 ドラフトでくじを引き当てた「運命の人」に浮かんだのは、よく例えられるダルビッシュではなく、なんと虎のプリンス新庄だった。阪神や日本ハム、メジャーでも活躍した同氏は、和田監督より5年遅れて入団。181センチ、76キロと藤浪よりひとまわり小さい体を全身バネのようにし、90年代にはともに主力としてチームを引っ張った仲だ。

 その90年代前半に阪神監督だった中村GMも、目を細めた。「新庄似」の言葉には苦笑しながら「ものが違うな。雰囲気を持っているし、手応えを感じるね」とニッコリ。平田2軍監督は「男前だよ。雰囲気あるよな。あれは自然と出てくるもんだ」と面構えにもほれていた。「遠投見ててもすごいよね」とは南球団社長。ツワモノたちが、そろって金の卵のオーラにメロメロだった。

 和田監督

 しっかりと自分の考えを持った選手と思うし、これから育てていく中で意見も聞きながら。1つ2つクリアすることはあるけど、現時点では(宜野座へ)連れて行くにふさわしいと思います。

 高校生にして我流調整を主張してきたこともポイントアップだった。虎将はあらためて沖縄・宜野座での1軍キャンプスタートを明言。走って良し、投げて良し、面良し、心構え良し。異例の新人合同自主トレ初日視察に勢ぞろいした虎の首脳陣。藤浪は、わずか2時間ほどでハートをわしづかみにしていた。【近間康隆】