超大物ルーキーが、初々しさの中にも、豊かな将来性を感じさせるスタートを切った。「エース兼4番」の二刀流に挑む日本ハムのドラフト1位、大谷翔平投手(18=花巻東)が11日、同期のルーキー6人とともに、2軍施設の千葉・鎌ケ谷で新人合同自主トレを開始した。あこがれの稲葉篤紀内野手兼任コーチ(40)との対面でド緊張し、キャッチボールでは大暴投する一幕もあったが、見守った首脳陣からは、秘めたるポテンシャルに早くも称賛の声があがった。

 新人離れした体格と雰囲気を持つ大谷が、少しだけ18歳の純朴な青年に戻った。あこがれと公言する稲葉兼任コーチとの初対面だ。「体が大きい。テレビで見ていた人だし、オーラがありました」。視線を感じながらのキャッチボールでは、はるか頭上へ大暴投。「緊張して暴投しちゃいました」と苦笑いしたが、プロ野球界の空気を感じながら、自主トレ初日を終えた。

 体幹トレなど、比較的軽めのメニューで練習を終えたが、太ももの筋肉は張った状態だという。「明日は午後もあるので、これでは…」。緊張の連続で、想像以上に疲弊した。だが新人を対象に行われた講義では、漢字で表記された「算盤(そろばん)」を読み上げ、元高校教諭の大渕スカウトディレクターを感心させた。

 そしてなんといっても規格外のスケールを見せる投打の技術。二刀流に対する疑問の声はあるが、見守った首脳陣は確かな可能性を感じ取っていた。

 【投手】

 最大約50メートルの距離で73球のキャッチボール。全力投球ではないものの、中嶋兼任コーチは「ダルビッシュに似ている。ゆるーい感じが」。リラックスした投球動作に大物感を見た。さらに黒木投手コーチも「いい角度でボールを投げている」と太鼓判を押した。

 【打者】

 バットを手に行ったのは、ティー打撃の125スイングのみ。本人は「まだ木製に慣れていないので…」と不安も口にしたが、昨季2000安打を達成した稲葉はパンチ力に感嘆。「アベレージじゃなく、ちょっと大きいのを打てる感じだね」。さらに紺田外野守備走塁コーチも「柔らかい。稲葉さんに似ている」。この日はあえて打撃練習を視察しなかった栗山監督に至っては「高校時代からオレは見てきているから。出たらすぐに使えるだろうというティーだったでしょ?

 (デビューは)もしかしたら開幕戦かもしれないよ」と、すでに一級品であることを明言した。

 「エースで4番」というスーパープレーヤーへ。大谷は「(全体練習が)終わった後も1、2時間バットを振ったりしていきたい。(投打両面の)メニューを組んでいただけるのはうれしいこと。信じてやっていきたいです」。誰も歩んだことのない道へ、たしかな1歩を踏み出した。【本間翼】