いきなり免許皆伝!?
阪神ドラフト1位の藤浪晋太郎投手(18=大阪桐蔭)は11日、新人合同自主トレで合気道の動きに取り組み、渡辺富夫副寮長兼フィジカルアドバイザー(65)から絶賛された。「心身統一合氣道会」師範でもある副寮長にバランスの良さを見せつけ、着々と調整ペースを上げていく。
肌寒い鳴尾浜で、ランニング、ストレッチを終えた藤浪ら新人が、1塁側ブルペンに入った。6人が縦1列に並び、見慣れない動きを始めた。舟をこぐように手を前後させる動き。ソーラン節で綱を引くような動き。ひらりと体をひねって銃弾をかわすような動き。約15分、3つの課題に黙々と取り組んだ。
前日から取り組むこのトレーニングは、合気道の動きを取り入れたもので、体のバランスをよくするのが目的。体の中心「臍下(せいか)丹田」に集中し、全身をうまく使うことがポイントだ。藤浪本人は「難しいことなので、自分にはまだまだ合気道の動きとかはよくわからないですけど、これからしっかり考えて野球につなげていけるようにしたいと思います」と控えめだったが、見守った渡辺副寮長が非凡さを見逃さなかった。
渡辺副寮長
ランニングを見ていても、あれだけ大きな体をコントロールできている。ほとんどそういう動きを彼はできていますよ。(体の重心が)据えている。そうでなかったら大舞台であれだけの成績は残せない。
過去には王貞治氏や広岡達朗氏も「心身統一合氣道」を取り入れ、成功につなげたといわれる。体の中心を意識することが、野球の動きに好影響をもたらすと考えられるが、習得は難しい。
実は藤浪は、大阪桐蔭・西谷監督の指導で「臍下(せいか)丹田」を意識して練習してきたという。達人の予想を超える動きは、付け焼き刃ではなかった。
藤浪
臍下(せいか)丹田は西谷先生に言われて、プレーのときやトレーニングのときに意識して、今までもやっていました。
高校野球の頂点に立った右腕は、いきなり達人から合格点をもらった。この日はブルペンに入らなかったが、ずばぬけた力が次々と明らかになっていく。【山本大地】
◆臍下(せいか)丹田
へそのすぐ下あたり。「心身統一合氣道」では、ここに意識を集中して力を集めることが最も重要とされている。臍下(せいか)はへその下、丹田もへその下あたりを指す。



