守道監督に近寄るな?

 中日高木守道監督(71)がインフルエンザを発症し、11日のスタッフ会議を欠席した。9日夜に発熱し、名古屋市内の病院でインフルエンザと診断された。年末年始も大忙しだった71歳アグレッシブ指揮官がまさかのダウンで、当面の自宅静養を余儀なくされた。ナゴヤ球場で始まった合同自主トレに参加した新人選手もビックリだった。

 中日で誰よりも活発だった高木監督がダウンした。インフルエンザに感染した。ナゴヤ球場に隣接する選手寮「昇竜館」で行われたスタッフ会議。人選や日程、キャンプに向けた話し合いを仕切るはずの指揮官は、自宅で療養していた。高木監督と電話で会議内容を打ち合わせした鈴木2軍監督は「中止かと思ったよ。死にそうな声ではなかったけど…。大将がいなかったら会議も進まないよ」と渋い表情で話した。

 関係者の話を総合すると、9日夜に発熱した高木監督は名古屋市内の病院でインフルエンザと診断された。体温は一時、39度まで上がった。平熱に戻ったというが、この日も病院で点滴を受けた。医師からは14日まで自宅静養が必要だと告げられた。

 球団関係者も大慌てだった。昨年11月のファン感謝デーで選手、コーチ、裏方が一斉に予防接種を受けている。だが佐藤球団代表は「監督もと言ったが受けなかったみたい…」と打ち明ける。年明け7日に予防接種を受けたが、その2日後に発症。まさかのインフルエンザ感染第1号となってしまった。

 スタッフ会議と同日に始まった新人合同自主トレ。ナゴヤ球場で高木監督と対面するはずだったルーキーたちも驚いた。ドラフト1位福谷は「自分も気をつけないといけない。まさか監督がとは思わなかった」。あいさつをしたくてもできない状況。新人も監督を反面教師にするしかない。

 昨年はDeNA中畑監督らが感染するなどプロ野球キャンプ地でインフルエンザがまん延した。三木トレーニングコーチは「今のうちで良かったと考えるべき」。今後も手洗い、うがいなどの励行を呼びかけ、感染の広がりを食い止める。まだキャンプインまで20日余りあることが、不幸中の幸いか。「暴走老人」を自認する守道監督が思わぬ急停止をした。【桝井聡】

 ◆巨人長嶋監督

 98年2月10日、風邪による37度の熱とのどの痛みを訴えキャンプを午前中で早退。2度目の就任6年目で初キャンプリタイアだった。宿舎で静養し14日から復帰した。

 ◆阪神野村監督

 就任1年目の99年2月2日、風邪による発熱でチームのキャンプ「リタイア第1号」。前日38度9分の熱があり、点滴。翌朝37度7分まで下がり、グラウンドに出ようとしたがフロントに止められた。

 ◆DeNA中畑監督

 就任1年目の昨年キャンプ2日目に37度2分の熱があり、感染拡大を防ぐため、そのまま自室に隔離。インフルエンザと診断され、5日後に現場復帰した。