巨クンにまたまた強~い味方が現れた。ソフトバンクのドラフト1位東浜巨投手(22=亜大)が16日、西戸崎合宿所で合同自主トレ初のブルペン入り。大学時代に痛めた右肘の不安を吹き飛ばすような力強さで30球を披露した。順調な東浜に、福岡市内にある沖縄県のアンテナショップが、地元食材で福岡ライフを支える役に立候補した。

 回転のいい球がミットに吸い込まれていく。東浜はバランスを確認しながら1球1球投げ込んだ。最後の3球は大きく振りかぶった。「セットポジションかは自分の中の感覚ですが、基本はワインドアップで」と、プロでは振りかぶって勝負する。

 マウンドでスパイクを履いて投げるのは昨年11月13日の明治神宮大会で登板準備して以来。「悪くはなかった。いい感覚で投げることができた」と、投げられたことに安堵(あんど)感があった。12月初旬のメディカルチェックで「問題なし」と診察された後、東浜は再度右肘を検査していた。結果はここでも「異常なし」。2年前、大学3年時に痛めた右肘の不安を解消すべく、球団が念には念を入れてデビューへ万全を期した。「肩の状態を見て」と、これからは連投調整も視野に入れる。

 右腕の不安が消えた東浜。寮の食事も問題ないが、地元沖縄の味は恋しくなる。部屋に冷蔵庫を買い、食材を買いだめしようと考えている。そこへ救いの手を差し出したのが、沖縄出身の2年目嘉弥真だ。この日、グアムでの自主トレから寮に戻った左腕は「今度、東浜を沖縄の食材があるショップへ連れていきますよ」と、日焼けした笑顔で明かした。

 来店の予定を聞いた福岡市内にある沖縄のアンテナショップ「福岡わしたショップ」の関係者は「福岡にこういう所があると、アピールしてもらえればうれしいですね。食材なども相談してもらえれば」とサポートを約束した。

 東浜が大好きというもずく「モズキッズ」は販売していないが、似たようなシークワーサー味のタレ付きもずくは扱っているという。同ショップでは「泡盛」や「オリオンビール」もある。食材をキャンプ地宮崎に持ち込めば、新垣隊長以下、嘉弥真、東浜の3人で構成される「ホークス沖縄県人会」が宿舎の部屋で開催されるかもしれない。故郷のソウルフードを力にプロの道を突き進む。【石橋隆雄】

 ◆福岡わしたショップ

 沖縄県物産公社が全国各地で展開するアンテナショップの1つ。沖縄特産の食材や工芸品などが手に入る。96年6月に開店した九州では唯一の店舗。地下鉄天神駅1番出口から徒歩1分。年末年始以外は無休。営業時間は午前10時~午後7時。【電話】092・752・0707