今季41歳を迎える中日和田一浩外野手(40)が「落合超え」に挑む。20日、愛知・春日井市内でのトークショーに出演。プロ16年の生涯打率が3割7厘を誇るヒットマンは「自分の成績を超えたい」と語った。40代で打率3割に到達した打者は中日の落合博満前監督(59=日刊スポーツ評論家)を含め、過去6人しかいない。最強オヤジへの道は、師匠を超えることから始まる。
41歳を迎えるシーズンも進化する。40歳になった昨季、全試合出場を果たした鉄人和田が力強く語った。
和田
グラウンドに立てば、18歳も50歳も関係ない。ハンディがあるわけでもない。自分の数字は超えたいし、そういう気持ちはいつも持っている。
2年ぶりとなる打率3割復帰はもちろん、03年西武時代に到達した3割4分6厘の自己最高打率の更新を狙う。球界屈指のヒットマンは本気だ。
超えなければいけないハードルがある。40代で打率3割という難攻不落の壁だ。これまでに到達した選手は6人で、中日では達成者はゼロ。41歳以上に限れば、過去4人しかいない。衰えぬ体力と卓越した技術。チームからの信頼がなければ、到達することはできない狭き門だ。
強烈なインパクトを残したのが、40歳で巨人に移籍して4番を務めた中日の落合前監督。95年3割1分1厘(42歳)、96年3割1厘(43歳)と2年連続で記録した。何よりも43歳での3割達成は史上最年長。天才という言葉だけでは片づけられない。この数字が年を重ねてもなお、すごみを増した現役生活を物語っている。
和田にとって、特別な存在だ。08年中日にFA移籍してからマンツーマンで“3冠打法”をたたき込まれた。2人で腰に負担のかからない打撃フォームを模索し、スタンスをスクエアにするなど、チャレンジしてきた。師匠の数字を見た和田は思わず苦笑いだ。
和田
う~ん。大したことないね(笑い)。いやいや。うそ!
うそ!
この日は午前中にナゴヤ球場の合同自主トレに参加し、ティー打撃で感触を確かめた。昨年12月25日に長女が誕生し、バットを握る手にも自然と力が入る。限られたものだけが許される「落合超え」の挑戦権。和田は高くそびえる壁をゆっくりと登る。【桝井聡】<40歳以上でのシーズン打率3割>43歳
落合博満(巨人).301
96年42歳
落合博満(巨人).311
95年41歳
戸倉勝城(阪急).321
55年
同
門田博光(オリックス).305
89年
同
宮本慎也(ヤクルト).302
11年40歳
戸倉勝城(阪急).300
54年
同
アルトマン(ロッテ).307
73年
同
門田博光(南海).311
88年
同
金本知憲(阪神).307
08年※左から年齢、選手名、所属、打率、達成年※規定打席到達者のみ