千葉県鎌ケ谷市の2軍施設で新人合同自主トレに臨んでいる日本ハムのドラフト1位、大谷翔平投手(18=花巻東)が、23日からの第4クール中に本格的な投球練習を始めることが21日、分かった。「打者大谷」はこの日、すでに2度目のフリー打撃を敢行。スタッフ会議が行われる25日にもブルペン入りすることが濃厚で、栗山英樹監督ら首脳陣が一堂に集まる場で、いよいよ「投手大谷」のベールを脱ぐことになりそうだ。

 待ち焦がれた日が、ようやくやってくる。新人合同自主トレ第3クール最終日となった21日。練習後、ルーティンとなっているファンへのサインを終えて勇翔寮へ戻る日本ハム大谷は、どこかうれしそうだった。翌日が休日だから、というわけではない。「次のクール(23~25日)でブルペンに入れたらと思います。立ち投げで30球くらいになると思います」。

 大学、社会人出身の他の新人投手が次々とブルペン入りするのを横目に、唯一の高卒投手となる大谷は、ここまで体作りを優先。すでに右肩は、うずうずしていた。「他の人が投げているのを見ると、投げたくなってしまう」。ようやく投球練習のめどが立ち、自然と声が弾んだ。

 まだ、伸び盛りの高校生。成長痛に悩まされた経験もあることから、これまでは、慎重に組まれたメニューをこなしてきたが、体の状態は絶好調だ。高卒同期入団の森本(高岡一)らに遊びに誘われても「時期も時期だし、まずは野球に集中したい」と断るなど、自覚たっぷりの真面目な性格でマイペース調整を続けてきた。

 日本ハムへの入団表明後、しっかりと走り込み、土台を作ってきたこともプラス材料となっている。この日は、約90メートルの遠投を軽々とこなした。「納得いく球ではないです。スピードがあるから遠くへ行くけど、回転が足りないですね。縦ぶれの時はシュート回転してしまう。もう少し前で(球を)放すことができたら」と課題を挙げたが、ノーステップで力強い球を投げ込んだ。キャッチボールの相手となった11年目の尾崎は「完全に負けました。僕は100%の力で投げてましたけど、彼は軽くですもん」と脱帽だった。

 本格的な投球練習解禁で、栗山監督ら首脳陣がスタッフ会議で集まる25日にも、ブルペン入りの可能性が高まった。春季キャンプを前に「投手大谷」の“御前登板”となれば、絶好のアピール機会だ。すでに「打者大谷」はフリー打撃で大物の片りんを見せている。球界でも異例となる投手と野手の“二刀流”挑戦が、いよいよ本格的に動きだす。【中島宙恵】