WBC代表候補の中日浅尾拓也投手(28)が23日、今季初めてブルペン入りした。ナゴヤ球場に隣接する室内練習場で、半袖姿で腕を振った。32球のうち20球は捕手を座らせての力投。前日22日夜に自主トレ先のグアムから戻ってきたばかりだが、帰国翌日にブルペン入りと何とも意欲的。ASAO侍は、早くも臨戦態勢だ。

 ここは南国グアムなのか?

 室内とはいえ真冬のナゴヤ球場。日に焼けた浅尾は半袖で、ビシビシと捕手前田のミットに力強いボールを投げ込んだ。「向こうでは傾斜で投げられなかったので、どんな感じか確認したかった」。厚着の関係者や報道陣の前でヒートアップ。座って受けた前田が「いい球。シーズン中みたいな球がきていましたよ」と驚く内容だった。

 使用したのはWBC公式球。グアムに比べて湿気の少ない日本でどう手になじむのか?

 気になっていた点も「まだ変化球は投げてませんし、思い切りでもなかったですが、そんなに感覚は変わらない」と手応えを得た。

 WBCを見据え、異例のハイペース調整。侍守護神として期待される男は着々と準備を整えている。2月の沖縄・北谷キャンプでは5、11日に韓国球団との練習試合が組まれている。11日サムスン戦での実戦登板についても「それくらいには」と前向き。同じアジアのライバルである“韓国封じ”で予行演習を終えて、代表合流となれば文句なし。侍は、いつどんな時も戦う姿勢を忘れない。【八反誠】

 ◆中日浅尾の初実戦

 中継ぎに本格転向して迎えた10年キャンプ以降は、初実戦は2月下旬。10年は2月18日韓国・サムスン戦で1回1安打無失点。11年は2月19日韓国・SK戦に登板したが、死球、四球を連発して1回1失点だった。12年は2月24日韓国・LG戦で2三振を奪うなど、1回無安打無失点に抑えた。