ソフトバンクのドラフト1位、東浜巨投手(22=亜大)が、春季キャンプで自らを「丸裸」にする。注目の即戦力右腕には他球団スコアラーによる密着マークが予想されるが、「隠してもしょうがない」。惜しみなく手の内を明かす考えを明かした。新人合同自主トレ最終日となった29日、福岡・西戸崎室内練習場で53球を投げて締めくくった。

 丸裸にされてもいい。ガツガツ投げる。東浜が目前に迫った春季キャンプで、すべてをさらけ出す。他球団スコアラーにマークされても、構わない。「隠してもしょうがない。練習しないといけない」。自慢のツーシームをはじめ、変化球も遠慮せずにバンバン投げ込むつもりだ。

 今キャンプから生目の杜のブルペンには観客席が設置され、ファンの視線も集めそうだが、これにも「見られることに抵抗はない」と言い切った。センバツ優勝など、高校時代から見られることには慣れている。秋山監督が新人合同自主トレを初視察した24日にも「意識しなかった」とマイペースを貫いたほどだ。

 他人の目は気にしない。早くプロの水に慣れることを優先する。キャンプ中、トータルの球数のノルマは設定しない。「その時に投げ込みたいと思ったら投げ込む。気になったところは、その日のうちに直したいタイプなので」。大学1年時はネットへの投球も含めて1日600球を投げたこともある。最近はそこまで投げないが「100球では僕の中では投げ込みに入らない。150球以上を投げられるようにしたい」という鉄腕ぶりにも注目だ。

 この日で合同自主トレは終了。プロ入り後初めてスライダーを投げるなど、最多の53球で締めた。入寮からの20日間を「順調にきているし、体ができてきた」と振り返った。いよいよキャンプに突入。「環境も変わるし、楽しみですね」。腕が鳴るとばかりに、目を輝かせた。【大池和幸】