大物アーチストの予感!?

 阪神期待の新外国人ブルックス・コンラッド内野手(33=レイズ)は名打者と同じ「素手スタイル」だった。両打ちの4番候補は1日、ランチタイム特打で打撃を初披露。和田監督が見守る中、右29と左26の計55スイング、左で2本の柵越えだった。バットを持つ手は、かつての王貞治、落合博満の両本塁打王が現役時にこだわったように打撃用の手袋はなし。手のひらの感触を確かめるように振り抜き、左人さし指の外側には痛そうな血豆ができていた。

 コンラッド

 外でのフリー打撃は久しぶり。初日だったし、タイミングがずれていたね。基本的に試合では手袋をしない。木のバットで打ち始めてから、ずっと。素手で土と松ヤニをつけるのが、自分の感覚と合っているから。

 右打席では上体が伸び上がる強振ぶりが目立ったが、左は柔らかいスイングを見せた。その後のノックでは軽快なグラブさばきも披露。三塁が期待される助っ人に、内野の名手だった和田監督も合格点を与えた。178センチ、86キロのファイターに、まずはひと安心だ。

 和田監督

 土のグラウンドの変化にもついていっていた。見た目より俊敏な動きだったね。体の割にパワーもあるし、バットを持つと大きく見える。大きなクセもないし、ボール球を振らなかった。選球眼がいいのは大きな武器になる。

 日本デビューの初日は、アスレチックス3Aで同僚だったマートンにピッタリくっついた。最後は仲良くファンサービス。「しっかり走れたし、ゴロも捕った。いい1日で楽しめた」。チームの命運を握る男は、満足げにニッコリ笑った。【近間康隆】