藤浪に負けられん!

 左肘手術からの復活をかけ、今季先発に挑戦している阪神榎田大樹投手(26)が3日、3度目の実戦マウンドで結果を出した。練習試合・西武戦に先発し、3回を1安打無失点。藤浪の衝撃デビューから一夜明け、先発枠を争う3年目左腕もアピールした。

 直球を中心に攻めた。初回、先頭熊代の打球が襲いかかっても、グラブに当て落ち着いて処理。2番金子は打ちに食い込むスライダーで空振り三振に切り、秋山も二ゴロに抑えて3者凡退。勢いに乗った。2回1死から浅村に中前打を許しても、大崎を投ゴロ併殺。前回打ち込まれた3イニング目も3人で切り抜け、3回0封だ。ここまで2度の実戦では、手術明けの手探り状態だったが「課題にしていた真っすぐをしっかり投げることができました。その中で変化球も投げられた」と手応えをつかんだ。

 登板前の朝、中西投手コーチからも、結果を大事にするよう告げられていた。初めて見せた“本気”の投球は、若獅子たちを寄せ付けないほど完成されていた。中西コーチも「後はイニングを伸ばしていくだけ。良かったよ」と榎田に高評価を与えた。

 先発陣は能見、岩田、両助っ人の4人が確定。残り2枠を藤浪、小嶋、岩本、秋山らと争う構図。2回無失点デビューした藤浪の存在が刺激になり、争いはますます熱くなる。【山本大地】