<オープン戦:ロッテ5-12ソフトバンク>◇15日◇QVCマリン

 ロッテが3日連続のオープン戦大敗を喫した。先発した木村優太投手(27)が3安打4四球4失点で1回1/3で降板するなど、ソフトバンクに被安打15の12失点。調整遅れで先発投手の整備が進まず、13日の西武戦から3試合で32点を失った。開幕まで2週間を切り、「守り勝つ野球」の再建が急がれる。

 いよいよロッテの投手事情が厳しくなってきた。今季4度目の先発チャンスをもらった木村は、2回1死満塁からの押し出しで早々にKO。3番手の古谷も柳田に3ランを浴び、2回6失点した。前日のDeNA戦で5回8失点の植松と合わせ、先発ローテーション候補の左3人が総崩れ。伊東勤監督(50)は「首の皮1枚も残ってなかったのに、前回と何も変わらない。2軍スタートということ」とあきれるしかなかった。

 本拠地2戦目にして、最初の西武戦と同じ5-12の大敗。3日間で32失点し、いずれも先発投手が押し出しで失点するなど、与四死球は23個に上った。開幕ローテの6枠中、成瀬、藤岡、渡辺は堅い。本来ならここに唐川、グライシンガーの両右腕が入るはずだったが、ともに右肘痛の大事をとってキャンプ後は2軍で調整を続けている。「今週中には投手をしっかり決めたい時期」(伊東監督)だが、4枠目が埋まらない。

 “弾切れ”状態に思わぬ光明となったのが、この日急きょ1軍に呼ばれた西野勇士投手(22)だ。オープン戦初登板ながら、140キロ台中盤の直球でぐいぐい押す攻めの投球を披露。ファームでは先発を務めており「ストライクが取れるし楽しみ。可能性はある」と指揮官。昨年11月に支配下登録されたばかりの22歳に、まさかの大チャンスが巡ってきた。

 開幕まで2週間。今日16日からイースタンで先発するグライシンガー、唐川の仕上がり次第ではあるが、頭数がそろわなければ「仕方ない。最後の手段に出ます」。中継ぎで起用予定だった大谷や吉見を、先発要員として1軍招聘(しょうへい)することも辞さない。ドタバタながら、29日まで、試せることはすべて試していく。【鎌田良美】