<オープン戦:ヤクルト6-2中日>◇16日◇神宮

 中日高木守道監督(71)が苦渋のローテを決断した。大野雄大投手(24)が16日、ヤクルト戦で6回4失点と打たれたが、開幕2戦目の3月30日、DeNA戦(ナゴヤドーム)が濃厚となった。開幕から吉見、大野、山内の登板順が内定。中田賢に4月2日からの阪神3連戦(京セラドーム大阪)の初戦を託す。それでも5、6番手は未定。練習試合を含めセ・リーグに8戦全敗でシーズンに臨むが、巻き返せるか。

 高木監督は声を荒らげた。大野について問われた時だ。「こっちの期待しとるように投げてくれんわ。(打たれるのは)真っすぐ系ばかり。何でもっと曲げたりひねったりせんのか。いい打者に通用するわけないやろ。ちっとも変わらん」。ヤクルト戦に先発し6回7安打4失点。志願した6回は畠山に2ランされるなど、実戦4度目もピリッとした結果を残せなかった。

 監督の言葉通りなら、ローテは不合格だ。だが、答えは正反対だった。山本昌がインフルエンザで離脱し、新助っ人カブレラも故障明け。伊藤や西川、岩田ら若手は総崩れ状態で、先発の駒が足りない。今中投手コーチも大野について「前よりマシやけど」と不満げ。だが「普通考えればそうでしょう」と、見切り発車的に昨季の4勝左腕に頼らざるを得ないのが実情だ。

 託すのは3月30日、DeNAとの開幕2戦目が濃厚だ。オープン戦最終登板は同じ土曜日の23日ロッテ戦の予定で、そのまま中6日で臨む見込み。そして中6日で、東京ドームでの6日巨人戦だ。昨年のCSファイナルステージ第1戦で勝ち投手になった同じ相手、同じ球場の相性に懸ける。復活を待ち、もはや祈る思いでの指名と言える。

 ようやくローテの一部が固まった。開幕吉見に続いて大野、3戦目は昨季10勝の山内が有力だ。2カード目、4月2日阪神戦の初戦は監督が「吉見に次ぐ2番目」と評価する中田賢に任せる。だが決まっているのはそこまでで、先発5番手&6番手は未定。開幕まであと12日。孝行息子が出なければ、たいへんなことになる。【松井清員】

 ◆中日の先発5、6番手

 吉見、大野、山内、中田賢の4投手に次ぐ先発はいずれの決め手に欠く。朝倉、ブラッドリーは14日西武戦ともに失点。岩田、伊藤、西川の若手もオープン戦で結果を残せず、2軍で調整中。キャンプ中に度重なるケガで出遅れたカブレラも1軍昇格のメドは立っていない。12日にインフルエンザ感染が判明した山本昌も出遅れ必至の状況。