<ソフトバンク2-4オリックス>◇10日◇北九州

 今季初の9番に下がった本多に、代打明石が送られた。同点の8回2死二塁。ベンチでは藤井打撃コーチが本多に歩み寄り声をかけた。頼みの明石は三振に倒れ、勝ち越しならず。今季初の延長戦で突き放され、3連敗を喫した。

 大胆な打線改造も実らなかった。ラヘアを休ませ1番に江川、4番には昨年6月6日以来の松田を起用。打率1割9分5厘の本多が9番に回った。秋山監督は「やることをやっていけばいいんじゃない」と前を向いたが、10イニングでわずか3安打、得点は2回の柳田の2ランのみ。開幕11戦で30得点はリーグ最低と、打線の湿り具合は深刻だ。

 早くも借金は5まで膨らんだ。苦境の中で、今日11日オリックス戦の先発をドラフト1位東浜巨投手(22)に託す。若き救世主候補は北九州に同行せず、ヤフオクドームの投手練習に参加。意思を貫き、プロでは少数派の登板前日ブルペンで50球を投げデビュー戦に備えた。

 「新人なので、あまりチーム状態は意識せず、まずは自分の投球をすること。状態はすごく上がってきている。思ったより早く回ってきた。やっと来たかという感じ」

 昨年7月のこと。借金6の窮地で高卒新人の武田が初先発初勝利を飾り、勢いを取り戻した。即戦力ルーキーの東浜にも同じ役目が期待される。小学2年で野球と出会う前、幼稚園のころ、東浜は将来なりたい職業に「消防士」と書いた。最下位に沈み、投手陣の台所は火の車。東都35勝、40完投のタフな右腕が、鷹に迫る火の粉を振り払う。【石橋隆雄】