<ソフトバンク2-4オリックス>◇10日◇北九州
勝負に徹した鬼の采配で、森脇浩司監督(52)がオリックスを変える。延長戦に突入したソフトバンク戦。10年のパ本塁打王に輝いたT-岡田を途中交代させる采配が結実し、チームを勝利に導いた。貯金2で2位浮上。森脇オリックスがしぶとさを身につけ始めた。
森脇マジックがはまった。両チーム決定打に欠けるまま突入した延長戦。10回1死満塁から宮崎の左翼フェンス直撃の適時打で勝ち越した。森脇監督は左投手森福に対し、主砲T-岡田に代えて宮崎を送っていた。固定観念は監督就任時に捨てた。左太もも裏の張りで出遅れた男が森脇マジックを結実させた。「好きに行けと言われた。やってやろうと思った」(宮崎)。ヒーローは顔をくしゃくしゃにした。
森脇監督は「全員で戦うんだから。別段固定観念はない。T以上に戦える人はいるんだから。オープン戦でも2ストライク前と後で打撃に変化があった。コンパクトに打っていた」と冷静に説明した。非情とも取れる采配にかけた勝負で、選手が躍動。接戦で見事に勝利を収めた。
勝負師としての顔を併せ持つ。「性格の問題だろうね。ハラハラドキドキのなかの勝負が好きなんだ」。指揮官が接戦を望むのも「得るものが大きいから」と「性格の問題だね」と笑う。決して無謀な采配ではない。固定観念にとらわれない強い勝負心だ。「目的と根拠そろえば」と、ちゅうちょすることはない。
8回にも厳しいタクトを振るっていた。無死一塁からT-岡田に犠打のサインを出した。結果は空振り三振。プロ入り後09年に1度しか犠打成功のない男に、サインを出した。やはり「当然の策だよ」と冷静だった。最後まで軸はぶれなかった。2カード連続の勝ち越しを決め、貯金は2。オリックスが上昇気流に乗っていく。【池本泰尚】



