<ソフトバンク0-1ロッテ>◇12日◇ヤフオクドーム

 博多どんたくや山笠のように、お祭り騒ぎができない。両軍無得点の7回1死二塁。ソフトバンク摂津正投手(30)が投じた105球目がみいられたように真ん中へ向かった。珍しく3球続けた直球を、ベテラン福浦が見逃さない。右翼への適時打となり、均衡を破られた。「四球からの失点だったので悔しい」と、先頭井口の出塁を後悔した。

 昨年7月25日、日本ハム戦以来の黒星。2年越しの10連勝が止まった。初回は1番角中から自己最多5者連続三振と最高の立ち上がりだったが、成瀬との投手戦に根負けした。WBC帰りの体調面が配慮された100球制限を解除し、134球の力投も、援護なく見殺しにされた。

 「博多デー」と銘打たれた試合。入場者に「にわか面」を配布し、試合前セレモニーで秋山監督は、花束の代わりに巨大しゃもじを受け取った。場内アナウンスにも「すごか~」など博多弁が交じった。ジェット風船はめんたいこピンク。博多カラーが満載だった。前夜の延長サヨナラ勝ちの勢いは続かず、打線は祭りのあとのように静かだった。

 打てない。秋山監督は「点が入らない限りしょうがない」と嘆いた。13試合で12通りの「猫の目打線」が首脳陣の苦悩を物語る。5回1死一塁からは、細川が意表を突く二盗も失敗。単独ではなく、指示によるものだが「俺はサインを出してない。中で何かあったんだろうな」と、ベンチの指揮官も意表を突かれた。

 そんな奇襲を仕掛けないといけないほど、閉塞(へいそく)感が充満している。散発4安打で三塁も踏めず今季初の完封負け。福岡移転後、最速10敗目に王手がかかってしまった。【大池和幸】